こんにちは!ちくです!
ボクはサッカー歴30年以上の大ベテランで、日々サッカーの研究をやっていますが、最近は『幸福な子育て』に関しても研究しています。
サッカーや子育てを通して、『幸福な親子関係』を築く手助けをしたいと思い発信をしています。
ボクには現在(2024年11月)、6歳の息子と4歳の娘がいます。
自分のサッカー&子育ての研究と経験を皆様に共有して、少しでも幸せを感じてくれる人が増えてくれたら嬉しいです。
今日は『なんのために子供に習い事をさせるのか?』について考えていきたいと思います。
皆さん色々な習い事をやっていると思いますが、「なんのためにやらせているのか?」を深く考えたことがありますか?
なぜ深く考える必要があるというと、習い事の『目的』がわかっていないと、もしくは『目的』を見失ってしまうと、お子様が不幸になってしまう可能性があるからです。
そうならないように、今日は習い事の目的について深掘りしていきましょう。
せっかく習い事をやっているのに不幸になってほしくないからな。「なんのために?」を考えることは大切や。
今日の記事は書籍『世界に通用する子供の育て方』を参考にしています↓
この本はポジティブ心理学を子育てに応用している本です。とても参考になりますので、是非読んでみて下さい。
なんのために子供に習い事をさせるのか?
始めに、ここで「習い事」とは「お金を払って通っているもの」とします。
例えば「バイオリン」「サッカー」「ダンス」「塾」なども含めます。
サッカーや塾が習い事かどうかなどの意見もあると思いますが、一旦置いておきます。
子供が自らやっているか、親がやらせているかの議論も置いておきます。
今日は子供を持つ親の目線から考えていきたいと思います。
まず、子供に「なんのために習い事をやらせるのか?」を深く考えてみて下さい。
いろんな期待を抱いて習い事をさせると思います。
ですが、突き詰めて考えていくと多くの人が
子供が幸せになるため
に行きつくのではないでしょうか。
つまり、ほとんどの親御さんは子供の幸せを思って習い事をさせてるんじゃないかな。
例えば、ボクの6歳の息子は『サッカー』をやっています。
なぜサッカーをやらせたかと言うと
- 身体を鍛えて欲しい
- チームワークを学んで欲しい
- 友達を作って欲しい
- あわよくばプロ選手になってほしい(笑)
などなど。いろんな理由があります。
考えればもっともっとたくさん出てきます。
では、出てきた答えにさらに「なぜそうなって欲しいのか?」という質問を重ねていきましょう。
「あわよくばプロ選手になって欲しい」という答えに上の問いを重ねると
「プロ選手になって欲しい」なぜ→「好きなことで成功できるから」なぜ→「たくさんの収入が得られるから」なぜ→「人気や名声が手に入るから」なぜ→「そうなると幸せになると思うから」
こういう感じですね。
他の「身体を鍛えて欲しい」や「チームワークを学んで欲しい」というのも同じですね。
結局は
子供がそうなると幸せになると思うから
だから習い事をさせている。
に行きつくんじゃないかと思います。
他にも、なぜ高いお金をかけて『塾』に行かすのかというと、
「勉強が出来るようになるから」なぜ→「良い大学に行けるから」なぜ→「良い会社に就職できるから」なぜ→「安定した収入が得られるから」なぜ→「そうなると幸せになると思うから」
だから塾に行かせる。
考えたら当たり前ですよね。
なぜなら、子供の幸せを願っていない親などいないからです。
わざわざ不幸にならせるために習い事をさせる親などいないでしょう。
では、なぜこんなことを言うかというと
最終目的である「幸せになること」を見失うと「不幸」になる可能性があるから
です。
不幸とは言えないまでも、一向に幸せを感じられない状態になる可能性があります。
例えば
- 幼いころからオリンピックを目指して頑張ってメダルを獲ったのに、その後燃えつきて鬱病になってしまった
- せっかくプロのサッカー選手になったのに、引退後に自己破産してしまった
- 親の言う通りに頑張ってきたのに、挫折して引きこもりになってしまった
このような事例を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?
これはみんな「幸せになる」という最終目的を見失ってしまうことで起こります。
せっかく子供を幸せにするためにやらせている習い事で、子供が不幸になってしまうなんてこんなに悲しいことはないですよね。
習い事の最終目的である「子供が幸せになること」を見失ったらあかんで。
ではなぜ最終目的を見失ってしまうのかを考えていきましょう。
世の中には幸せになれない罠がたくさん仕掛けてあるのです。
なぜ「幸せになる」という目的を見失うのか?
結論から言いいます。
習い事で「幸せになる」という目的を見失ってしまう理由は
- 本当の幸せが何かわかっていないから
- 結果にとらわれてしまうから
- 他人と競争してしまうから
です。
順番に見ていきましょう。
本当の幸せが何かわかっていないから
さっきから子供の幸せと幸せと言っていますが、幸せとはなんでしょう?
確かに幸せとは、フワフワしていてつかみどころがなく、多くの人がなんとなくしかわかっていないと思います。
ですので、まず幸せとはなんなのかについて考えてみましょう。
最近はポジティブ心理学や幸福学のように、幸せを科学的に研究する学問が発達して、人間が感じる幸せについてたくさんのことがわかってきているで。
幸せと聞いて最初に思い浮かぶものはなんでしょうか?
一般によく考えられる幸せは
例:学歴、収入、地位、名声、美貌、若さ、大きな家、欲しいもの、などなど
これらを地位財と言います。
残念ながらこれら地位財はあまり幸せとは関係していないことがわかっています。
なぜならこれらは他人との比較でしか幸せを感じられず、短期的で終わりがないものだからです。
この幸せにハマってしまうと、地獄に一歩足を踏み入れた状態になる可能性があります。
自分より上の人が現れるととたんに満足感が下がってしまうからですね。
例えば、整形手術をしてきれいになったはずなのに、半年もすれば他のところが気になり、いつまでも満足できない状態です。
では本当の幸せとは
例:健康、愛情、友情、いい人間関係、自由、よいコミュニティへの所属、何かに夢中で打ち込んでいる、などなど
これらを非地位財と言います。
これらは、そのこと自体が幸せを与えてくれるもので、長期的な幸せを感じることができます。
地位財と非地位財はぜひ覚えて欲しいキーワードや。そして非地位財が幸せに大きく関係しているんやで。
勘の良い人は気づいたかもしれませんが、例えばサッカーなどのスポーツに真剣に取り組んでいる人はすでにこの本当の幸せを得ていると言えます。
サッカーでは
- 健康
- 友情
- 自由
- 所属感
- 夢中
など、たくさんの幸福を感じる要素がつまっています。
つまり、これをやっていれば幸せという状態です。
ですので、サッカーが大好きで、夢中になって楽しんでいて、友情を感じられるなら、すでに習い事の目的を達成しています。
繰り返します。
上の状態になっているなら、すでに成功しているのです。
サッカーがほんまに好きで夢中になっているお子さんは、すでにとても幸せそうじゃないか?よく観察してみて欲しいで。
ですが、多くの人はこれに満足できずに先ほど例で挙げた名声、お金、結果などを求めてしまいます。
結果にとらわれてしまうから
習い事で目的を見失ってしまう2つ目の理由は「結果にとらわれてしまうから」です。
現代の日本社会で生きていると多くの人が、「結果を出さないといけない」という無言のプレッシャーにさらされています。
親は自分自身が子供の頃から
- 学校ではテストの点数で評価される
- 企業には大学の偏差値で評価される
- 会社では実績だけで判断される
などのプレッシャーにさらされ続けてきています。
ですので、親は子供が習い事で「なんらかの結果を出さないといけない」と思ってしまうのも当然でしょう。
例えばサッカーなら
- 点を入れたらほめる
- 試合に勝てばほめる
- トレセンに受かったらほめる
などですね。
塾なら
- 模試の点数が良ければほめる
- 成績の順位が上がったらほめる
- いい学校に受かったらほめる
などです。
結果だけほめるのは「結果がすべて」というメッセージを子供に発しているのと一緒やで。親がそんなつもりはなくてもな。
ですが、先ほどの「本当の幸せ」のところでも言いましたが、結果とは地位財のことであり、幸福とはあまり関係がありません。
それどころか子供に悪影響を及ぼすという研究結果もあります。
心理学者のスニヤ・S・ルター氏は長年、子供の自己肯定感についての研究をしています。
ルター氏の研究によると
親がやさしさや思いやりよりも成果を重視していると感じている生徒は、プレッシャーを感じていない生徒に比べて自己肯定感が低く、心の不調を抱える傾向があり、成績も悪かったそうです。
―出典:うちの子、このままで大丈夫?がスーッと消える 科学的に正しい子育ての新常識 | ディスカヴァー・トゥエンティワン – Discover 21
親はよかれと思って、結果を重視してしまうのでしょう。
気持ちはよーくわかります。
世の中は結果がすべてで、結果を出さないと勝ち残れないと思うからです。
結果を出してほしいと思ってプレッシャーを与えるのに、プレッシャーを与えるほど成績が悪いなんて皮肉な話やで。
ですが、先ほどから繰り返しているように、目的は「子供が幸せになること」です。
結果は出し続けても、すぐに次の結果を出さないと満足できなくなり、永遠に終わりがありません。
オリンピックでメダルを獲っても鬱病になってしまうのは、次の目標が見えなくなってしまうからです。
結果を出すことが目的にならないように細心の注意を払っていく必要があります。
目的は「子供が幸せになること」それだけや。
ボクの意見ですが、結局、多くの指導者が『勝利至上主義』のような偏った思考に陥っていしまうのは、人々が結果しか見てないと思うからです。
育成年代の指導は100%子供の成長にコミットするべきです。
当ブログを読んで頂いている方は、結果にこだわらず、子供を成長させてくれる場所を選んでいきましょう。
他人と競争してしまうから
3つ目の理由です。
「スポーツや勉強で、他人との競争は避けられないのではないか?」と思う方もいると思います。
ですが、他人と比較している限り幸せを感じることはできません。
なぜなら
必ず上には上がいるから
ですね。
結果だけを追い求めるのと同様、競争には終わりがないのです。
例えば、起業して社会的に成功した人が、一向に幸せを感じることができないという話を聞いたことはないでしょうか?
これはいつまでも他人との比較でしか自分の事を評価できないからです。
他人と比較してやっと上り詰めたと思っても、また上が出てくると幸福度は一気に下がってしまいます。
サッカーでも同じですよね。
結局、他人と競争をし続けていたら1番になるまで満足できない。
メッシになるまでは決して幸せにはなれないということです。
そしてメッシになれたとしても、いずれ新しい自分より上の選手が出てくるかもしれないという恐怖から逃れることはできません。
さらに悪いことに他人との競争意識があると
他者が敵になる
ということです。
例えば、サッカーをやっている場合、自分のライバルだけがレギュラーに選ばれて自分は選ばれなかったとしたらどうでしょうか?
ちょっとモヤモヤする気持ちが生まれないでしょうか?
これはライバルを敵視してしまっているから起こることです。
本来、友達の活躍を喜んであげるべきところで、素直に喜べないのは悲しいことです。
最初はただボールを追いかけてサッカーができれば幸せだったはずです。
それなのに、勝てば嬉しいけど、負けたら何も楽しくないという状態になると、サッカーがとても辛いものになってしまいます。
目的が「幸せになること」から「競争に勝つこと」に代わってしまっています。
だから他人と自分を比較する必要はないことを子供には教えるべきです。
ではどうすれば幸せな習い事になるのでしょうか?
どうすれば幸せな習い事になるのか?
ここまでを踏まえて考えてみましょう。
結論から言ってしまうと
習い事を好きになって夢中になってやること
です。
めちゃくちゃシンプルな答えにたどり着きます。
そのためにできる親としての具体的なサポートは
- 楽しんでいるかどうかを見る
- 結果に注目せず、過程に注目する
- 他人との競争ではなく、自分に勝つことを教える
これらです。
簡単に解説します。
楽しんでいるかどうかを見る
先ほども言いましたが、習い事が好きで夢中になっている状態ならすでに「幸せになる」という目的を達成できています。
この状態を続けていけば、自ずと実力はついていくし、成長していきます。
ですので、まずは子供が
習い事を楽しんでいるかどうかを見る
これをしていきましょう。
どうしても楽しめることができず、本人が「やめたい」と言うならやめてもいいと思っています。
また、次の楽しめる習い事を探していけばいいでしょう。
無理に続けさせることは本人のためになりません。
なぜなら楽しんで夢中になることができないからです。
結果に注目せず、過程に注目する
先ほども言ったように、子供は親が結果だけを気にしていると感じた場合、自己肯定感が下がり問題行動が多くなることがわかっています。
結果ばかりほめられる子供は、挑戦しなくなることも研究でわかっています。
ではどうすればいいのか?
結果ではなく過程に注目する
これですね。
具体的に言うと、普段の声がけを変えていきましょう。
結果や他人との比較をほめるのではなく、「本人の頑張り」や「チーム・他者への貢献」、「過去より成長したこと」を具体的に声がけするといいです。
例えば、サッカーの場合なら
- 「点取ってえらい、あなたは天才」ではなく「夢中に練習したからだね」
- 「すごいよかったよ」ではなく「最後まであきらめずによく走ってたね」
- 「あなたが一番うまかったよ」ではなく「前の試合より出来ることが多くなったね」
などですね。
最初は難しいかと思いますが、とにかく親は「結果だけを気にしているわけじゃないんだよ」ということを伝え続ける事が大切です。
何を言っていいか分からない場合は無理にほめようとする必要はありません。
今日もあなたが走っているところを見られてよかった
これだけ伝えてあげましょう。
他人との競争ではなく、自分に勝つことを教える
他人との競争では人は幸せになれないことは先ほど見てきた通りです。
では、どうすればいいのか?
よく一流のアスリートが言っている言葉が頼りになります。
自分との闘い
これですね。
親が教えられることは
人生とは他人との争いではなく、昨日の自分よりどれだけ成長したかを問い続けるプロセスである
ということを教えていくことです。
サッカーでも勉強でもなんでも同じです。
昨日の自分より少しでも進んでいたら、それは成功です。
やっていることに夢中になって楽しんでいるならその時点で成功なのです。
他者と比較する必要は一切ありません。
偉そうに言っている僕ですが、他人と比較しないというのはなかなか難しいです。
ボクの6歳の息子は
現時点で保育園のクラスの中でいちばん足が速くて運動もできるそうです。
ですが、「他の子の方が跳び箱ができた」などと話を聞くと、ボクが少しムッとなるんです。
「いや、自分の息子の方ができるだろう。もっと頑張れよ。」と思ってしまうんですね。
もちろん言葉にすることも態度に出すこともありませんが、思ってしまうのは事実です。
自分と子供を同化してしまっている点でも、他者との比較から逃れられていない点でもいけないです。
日々反省です(^^;
理屈ではわかっていても、必ず他人と比較してしまうと思うので、その都度、自分の考えを戻していかないといけません。
ボクも頑張ります(笑)。
まとめ:習い事で幸せになろう
まとめ行きましょう。
今日、皆さんに伝えたかったことはたった一つです。
習い事の目的は「子供が幸せになること」
これですね。
上の目的を忘れないでいて欲しいというのが今日のメッセージです。
ですが、目的を見失う罠がこの社会にはたくさんあるので、そうならないためにどうすればいいのか?を考えました。
なぜ「幸せになる」という目的を見失うのか?は
- 本当の幸せが何かわかってないから
- 結果にとらわれてしまうから
- 他人と競争してしまうから
です。
本当の幸せとは、
例:学歴、収入、地位、名声、美貌、若さ、大きな家、欲しいもの、などなど
これらを地位財と言います。
の地位財ではなく、
例:健康、愛情、友情、いい人間関係、自由、よいコミュニティへの所属、何かに夢中で打ち込んでいる、などなど
これらを非地位財と言います。
の非地位財に関係しています。
サッカーなどの習い事は本来、健康、友情、協力、夢中などの非地位財の要素が多分に含まれており、それをやっているだけで幸福なはずです。
ですので、『結果』や『競争』にとらわれることなく、楽しくて夢中という状態で続けて欲しいものです。
以上、長くなりましたので今日はこの辺で終わります。
わからないことがあれば、お問い合わせフォームやX(Twitter)で直接聞いていただければお答えします。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
少しでも皆様が幸福な親子関係を築ける手助けになれたら嬉しいです。
おしまい。