こんにちは!ちくです!
サッカー歴30年以上の大ベテランで、日々サッカーの研究をしているサッカー研究家です!
サッカーに『夢中』になる人を増やすために発信をしています。
今日のテーマは『サッカーの上手さ』についてです。
- サッカーの上手さって何?
- サッカーが上手くなるってどういうこと?
- 何を鍛えたらサッカーは上手くなるの?
この問いに答えられる人は意外と少ないんじゃないでしょうか。
ネットを調べてもだいたい同じような答えばかりで、しかもその答えがかなりフワッとしていてよくわかりません。
ですが、「サッカーが上手いとは何を意味するのか?」
これがわかっていないと、ゴールがないマラソンを走るようなものですよね。
「プロになりたいけど、結局なにを鍛えていけばいいのかわからん」
このような状態になってしまいます。
逆に「サッカーの上手さ」とは何かがわかったら、そこを鍛えていけばサッカーは上手くなるわけです。
めちゃくちゃ効率が上がるじゃないですか?
これはしっかりと理解していないともったいないですね。
ボクも最近まで明確に言語化できていませんでしたが、ようやく「サッカーの上手さとはなんなのか?」という答えにたどり着きました。
今日はそれをシェアします。
ぜひ、最後まで読んでください。
サッカーの上手さとは何か?
結論からいきましょう。
サッカーの上手さとは速さ(早さ)である!
これですね。
つまりサッカーが上手くなることとは
- できないことができるようになること
- できていることが速く(早く)できるようになること
です。
「速さって結局フィジカルってことかよ」
と思った方は落ち着いてください。
ボクが言いたいのは「足の速さ」だけではありません。
順番に説明していきますね。
なぜ上手さ=速さ(早さ)なのか?
まずはなぜ上手さが速さ(早さ)なのかについて解説します。
これは比較していくとわかりやすいです。
例えば
- トラップが一度でピタっと止まる⇔トラップでもたついてしまう
- 狙ったところにスピードのあるボールが蹴れる⇔ゆっくりとしたボールしか蹴れない
- 空いているスペースに速いドリブルができる⇔ゆっくりとしたドリブルしかできない
- 最適なポジションをすぐに見つけられる⇔ポジションを見つけるのに時間がかかる
それぞれを比べていくとどちらが上手いと言えますか?
ほとんどの人は前者を上手いと言うんじゃないでしょうか。
要するに
サッカーはレベルが上がれば上がるほど、「スペースがない」「時間がない」「プレッシャーが速い」「余裕がない」中でプレーをしていかなくてはなりません。
プレーのスピードを上げていかないと、ついていけないんですね。
サッカーが上手くなるという事は要するに、「より狭いスペース」、「より短い時間」の中でもプレーできるようになることや!
元フットサル日本代表監督のミゲル・ロドリゴさんはサッカーの情報処理能力が上がることを
「iPhone3がiPhone5になること」(当時はiPhone5が最新)
と表現していたそうです。
めちゃくちゃ分かりやすいですよね。
結局サッカーでは速さ(早さ)が正義だという事です。
「では何のスピードを上げていけばいいのか?」
を具体的に説明していきます。
サッカーの速さ(早さ)3つの要素
サッカーの上手さとは速さ(早さ)である。と言いました。
実は、ここで言う速さ(早さ)とは3つの要素から成り立っています。
サッカーで大事なスピードの3つの要素とは
- 技術のスピード
- 身体のスピード
- 頭のスピード
この3つです。
順番に説明します。
技術のスピード
技術が速いとはどういう状態でしょうか?
例えば味方が自分に向かってパスを出した場合を思い浮かべて下さい。
自分がトラップしたときに、前方にいる味方がマークを外したとします。
そこで、トラップがもたついてしまったら、せっかくマークを外した味方はまたマークに付かれてしまいます。
もしくは、トラップがうまくいったとしても、パスのスピードが遅い場合はパスカットされてしまいますよね。
つまり技術のスピードとは
いかに速く(早く)いつでもボールを蹴れる状態(整っている状態)にできるか
そしてその状態を維持できるか
これにかかっているということです。
ボクがとても大事にしている『止める』『蹴る』の部分と言い換えることができます。
- 短い時間で、すぐに蹴れる場所にピタっと止められる
- どんなスピードのボールが来ても一度でボールと身体を整えられる
- 点から点へ最短距離で意図したボールが蹴れる
これらが技術のスピードです。
そして、『運ぶ』つまりドリブルに関しても
いつでも次のプレーができる状態であるか
が技術のスピードに当たります。
どういうことかと言うと、メッシのドリブルを考えるとわかりやすいと思います。
メッシのドリブルは足からボールがほとんど離れないですよね。
つまり、これはいつでも
『止める』『蹴る』『運ぶ』ができる状態
であると言えます。
ドリブルしている最中でもあらゆる選択肢を実行できる状態でいること、
わかりやすく言うと、「ボールが足からあまり離れないドリブルをすること」が次のプレーに移る速さを決定します。
メッシのドリブルはそれが全て出来ているから簡単に取られないし、常に最適な行動ができるわけです。
『止める』=トラップについて詳しく解説した記事はこちらです。
身体のスピード
身体のスピードとは「走るスピード」と「ドリブルのスピード」のことです。
サッカーにおいて「足が速い」のが有利だということは誰もがわかっていると思いますが、育成年代でそこまで足の速さを追求する必要はないと思っています。
身体的な能力は成長期が終わってから、いくらでも伸ばすことができるからです。
ここで注目してもらいたいのは
「ドリブル」のスピード
に関してです。
多くの人は「ドリブルのスピード」と言われてもピンと来ないんじゃないでしょうか?
これは日本では「いかに相手をかわすドリブルができるか?」に注目が集まり、ドリブルスピードが議論されることがほとんどないからです。
でも考えてみて下さい。
みんな大好きメッシやクリスチャーノ・ロナウド、エムバペ、ネイマールは
ドリブルがめちゃくちゃ速い
ですよね。
海外の一流選手はドリブルが速い選手が多いです。
もちろん単純に足が速いというのもありますが、足がそれほど速くなくてもドリブルが速い人はたくさんいます。
日本でも活躍したイニエスタなどがそれに当たります。
つまり、日本人も「本気で走るスピード」に「ドリブルスピード」を近づけることは出来るわけです。
日本人は相手をかわしていくようなボール操作は世界でもトップクラスだと言われますが、ドリブルが速い人がほとんどいません。
ドリブルが速い選手がいないという事は、ドリブルが速くなるとそれだけでかなり有利だという事です。
ドリブルのスピードを鍛えていきましょう。
ドリブルの速さについてはこちらの記事で徹底解説しています。
頭のスピード
最後に頭のスピードについて考えていきましょう。
「頭のスピード」を上げるとはどういうことでしょうか?
頭のスピードの『頭』の部分はなんでしょうか?
ここでサッカーの問題解決のプロセスについて軽く触れます。
サッカーの問題解決のプロセスは一般的に
認知→判断→実行
このように表されます。
目から取り入れた情報を頭の中で認識して判断して、実際にパスやシュートの行動に移します。
実際のパス、シュートの部分が「実行」に当たります。
先ほど説明した「技術のスピード」「身体のスピード」の部分です。
そして「頭のスピード」の『頭』とは「認知・判断」の部分に当たります。
「認知・判断」とは
目で見て考える事
ですね。
「何を見て」「どう考えるのか」をしっかりと整理して優先順位が明確にできれば、頭のスピードは格段に早くなるというわけです。
優先順位を明確にするにはサッカーの目的から逆算するとわかりやすいです。
サッカーの目的は
勝利する事
そして、勝利するためにどうすればいいか?攻撃面と守備面の目的から考えましょう。
ゴールを奪う
点を取られないようにボールを奪う
これですね。
攻撃面から考えていきます。
サッカーの攻撃面の目的「ゴールを奪う」から考えると優先順位ができてきます。
- 前方に進む
- 相手の背後を奪う
などです。
例えばディフェンダーなら
ディフェンスラインでパスを回す選手
より
正確に前線の選手にパスが出せる選手
のほうが相手にとっては怖い選手と言えます。
要はゴールから逆算して有効な手を打てる選手のほうが「頭のスピード」が速い選手と言えるわけです。
そういった選手は前方とのつながりが常に出来ている選手と言えます。
自分にパスが来る前に前線の様子をしっかりと確認して、自ら「パスコース=つながり」を確保するためにアクションができています。
逆に相手を怖がらせるプレーができない選手は「頭が速い」とは言えへん訳や。
守備に関しても同じです。
守備の優先順位は
- 相手のボールを奪う
- 守備を整える
- ゴールを守る
この順番です。
相手のボールを奪えるポジションをすぐに見つけられる人は頭が速いし、インターセプトできる選手は頭が速いと言えるでしょう。
サッカーの目的を理解して、優先順位が整理されているほど頭のスピードが速くなり自分で適切な判断をすることができるようになります。
頭の速い選手を目指しましょうね。
周りを見ることの本質について詳しく書いている記事はこちらです。
どのようにサッカーの上手さ=速さ(早さ)を伸ばしていくか?
ここまで読んでもらえたらサッカーの上手さが何かわかって頂けたと思います。
ここからは、「じゃあ実際にどうやってトレーニングすればいいの?」という部分を考えていきましょう。
サッカーの3つの速さ(早さ)について説明します。
※今から説明する『運ぶ』は「技術のスピード・身体のスピード」両方に該当するのでまとめて説明します。
技術のスピード・身体のスピードの鍛え方
前提として技術のスピードを伸ばしていくには反復練習が必須になります。
繰り返し繰り返し、ひとつの技術を速く正確にする意識を持って練習しましょう。
技術のスピードとは分解すると
- 『止める』…トラップ
- 『蹴る』…キック
- 『運ぶ』…ドリブル(身体のスピードにも含まれる)
です。
これらをいかに速く正確に出来るかを見ていけばいいです。
ここまでくるとめちゃくちゃシンプルになりますね。
順番に見ていきましょう。
『止める』『蹴る』
『止める』『蹴る』のもっともシンプルで上手くなる練習は、2人組で対面パスをする練習です。
シンプルにインサイドキックでゴロパスを出して、インサイドでピタっと『止める』練習です。
1人で練習する場合は壁打ちでもかまいません。
壁打ちも目的を持って集中して練習すればめちゃくちゃ上手くなります。
練習内容は
- 自分がすぐに蹴れる位置にピタっと『止める』
- 間髪入れずにインサイドキックでピシッと『蹴る』
- ①~②の繰り返し
これをやりましょう。
再三注意点として言っていますが、
『止める』のポイントは
すぐに蹴れる場所にピタっと『止める』
です。
一度のタッチでボールがまったく動かない、静止した状態を目指しましょう。
『蹴る』のポイントは
点から点へ意図したボールを『蹴る』
です。
相手の利き足を狙ってそこから全くズレないスピードのあるキックを目指してください。
これを完璧だというくらいの高いレベルまで引き上げましょう。
もちろん他のキックの練習や浮き球のトラップの練習もやっていけばいいですが、今言った『止める』『蹴る』の練習は完璧を追求し続けてください。
「100回やったら100回完璧」を目標に練習していきましょう。
これだけでいいの?と思うやろうけど、この練習に終わりはないんやで。Jリーグでもできてない人がいるから、完璧を目指そう!
『運ぶ』
『運ぶ』は「技術のスピード」「身体のスピード」両方に該当します。
『運ぶ』練習に関してはボクは直線的なドリブルの練習を推奨しています。
直線的なドリブル練習のポイントは
- できるだけまっすぐドリブルする
- 2歩に1回ボールにタッチする
- 毎回毎回歩幅の分だけタッチする
- 30メートル以上の長い距離をドリブルする
- タッチが安定すればスピードを上げる
です。
ドリブルの速さを追求する事はあまりなかったと思いますが、正確で速いドリブルはめちゃくちゃ使える武器になります。
ぜひ極めてみてください。
頭のスピードの鍛え方
頭のスピードの鍛え方は基本的にはサッカーの原理原則をよく理解して、優先順位を自分なりに整理していくことです。
そして、その優先順位に沿って経験を積んでいくことで、頭のスピードは速くなっていきます。
その時の有効な方法としてはサッカーの試合を観ることです。
具体的に何を観るかは
- 自分の試合
- 世界のトップクラスの試合
- 好きな選手の試合
これらです。
それぞれ説明します。
自分の試合
自分の試合の映像を観ると、試合中とは違う外からの視座で試合を観ることができます。
試合中はどうしても目の前のことに夢中になり、ゲーム全体を観ることができません。
例えば
敵が近くにいると思って、あまり周囲を確認せずに出したパスの場面も、ビデオで観ると実は余裕があった
こんなことはよくあることです。
他にも
あの場面では逆サイドに走っている味方はいないと思っていたのに、実は走ってた
などですね。
これを続けていくと自分のプレーが客観的に観れるようになり、次のゲームに活きてきます。
ここでポイントは
「ピッチの外からの景色」と、実際の「ピッチの中の景色」を一致させる
これをやってください。
どうすればいいかと言うと、映像で観たときに「自分がその時に認識していたもの」と「実際にどういう状況だったか」を比較するだけです。
これを繰り返すことで試合中にはわからなかった全体の状況がわかるようになってきます。
視野が広がるごとに、頭のスピードが速くなっていきます。
世界のトップクラスの試合
世界のトップクラスの試合を観ることで、「本物」はこうやっているというのがわかります。
自分が理解しているサッカーの優先順位と世界のトップクラスのサッカーとの答え合わせができるのです。
そうすることで、より自分の優先順位がはっきりとわかってくるでしょう。
ポイントは
どういうプレーをするか予想しながら観る
これですね。
「自分ならここに出す」「自分ならここのスペースを使う」けどトップ選手はどうするかな?という視点で観ていくと力がついていきます。
好きな選手の試合
最後に自分の好きな憧れの選手を見つけてその選手を追いかける方法です。
このときのポイントは
1試合ずっと好きな選手を観てみる
です。
これをすることで
- ボールを持ってないときの動き(オフザボール)
- どういう動きをしてボールにからんでいるか
- どのように首を振って周りを見ているか
などがわかってきます。
ひとりの選手を観続けると普段には意識していないようなことが見えてきます。
「こんなにいっぱい首を振って、周りを見てるんだ」「ここにカバーに入るんだ」と気づきがたくさんあるでしょう。
自分の基準がどんどん上がっていくのがわかると思います。
ぜひ自分のプレーに落とし込んでいってください。
憧れの選手を持つことでサッカーもより楽しくなりますので、オススメの方法です。
まとめ:サッカーの上手さを知ればより上手くなる
まとめ行きましょう。
今日の記事を読んで初めてサッカーの上手さとは速さ(早さ)だということを聞いた人もいたんじゃないでしょうか?
サッカーの上手さは速さ(早さ)だという考えを知ったとき、ボクにとっては結構衝撃でした。
ただ、その後、いろんな試合を観たり、サッカーの研究を続けていくことで
「やっぱりサッカーの上手さとは速さ(早さ)なんだ」
というのが腹落ちしました。
世界のトップクラスの試合を観ると、みんなトラップはピタっと止まるし、パスはボールスピードが速く、そして正確です。
ドリブルに関してもきっちりと目の前の人を引き付けるようなドリブルを正確にしています。
もちろん、情報収集も判断もめちゃくちゃ速いですよね。
つまり
正確性とは時間短縮である
こういうことなんですね。
で、ここまでわかれば「自分は何ができていて何ができていないのか?」これがはっきりしてくる訳です。
指導者の方も「この子のどこを伸ばせばいいんだろう?」というのがハッキリとわかります。
試合を観て、「この子はトラップはしっかり止まっているな」「キックはまだスピードが足りないな」などがわかります。
そこをしっかりと重点的に練習していけばいいということです。
今日はサッカーの上手さとは速さ(早さ)であるについて解説しました。
ぜひ活用してみてください。
以上、長くなりましたのでこの辺で終わります。
わからないことがあれば、お問い合わせフォームやX(Twitter)で直接聞いていただければお答えします。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
少しでも皆様のサッカーライフが充実して、よりサッカーを好きになってくれたら嬉しいです。
サッカーさいこー
ブログさいこー
おしまい。