こんにちは!ちくです!
サッカー歴30年以上の大ベテランで、日々サッカーの研究をしているサッカー研究家です!
サッカー好きですか?
ボクは大好きです!
今日のテーマは周りを見ることの本質についてです。
- ボールが自分のところに来ると焦ってしまう
- 次のプレーを考えることができない
- どうすれば周りを見て、次のプレーを考えられるようになるの?
今日は、結局いい選手は「なに」を見てプレーしているのか、というところを深掘りしていきます。
結論から先に言います。
いい選手は未来を見ている
「怖い怖い!スピリチュアル?」という声が聞こえてきそうですが、そうではないので安心してください(笑)。
もっと言うと「次の一手を考えている」ということやな。
それだけじゃわかりにくいので順を追って説明します。
今日の記事を読んでもらうと
- ボールが来てから焦ることがなくなる
- なぜサッカーで三角形が大事かが理解できる
- 次のプレーを考えることができるようになる
これらがわかります。
今日の内容は少し難しいかもしれませんが、これを理解しているのといないのではサッカーの質そのものが変わります。
「いい選手」は必ず考えていることです。
できるだけわかりやすく解説しますので、ぜひ最後まで読んで理解してください。
周りを見る基準
周りを見る基準について簡単におさらいしておきます。
まず大前提として
ゴールを認識しておく
ゴールはサッカーの目的地ですので、常にここにあるということを認識しておきましょう。
サッカーには大きく3つのシチュエーションがあります。
- 自分がボールを持っていないとき
- 自分にボールが転がってきているとき
- 自分がボールを持っているとき
この3つです。
3つのシチュエーションそれぞれで、見るべきものが変わります。
自分がボールを持っていないとき
自分がボールを持っていないときは
- 相手
- 味方
- スペース
これらを見ます。
いい選手が試合中に首を振り続けているのはこれらを見ているのです。
では、どのように見ればいいのかを後ほど説明します。
自分にボールが転がってきているとき
これは味方選手からパスを受けるときや、ルーズボールが自分に向かって転がってきている場面です。
自分にボールが転がってきているときは
相手がどこから来ているか
これだけ見ればいいです。
自分のボールを奪いに来る敵の位置や状態を見ておくと、ボールを取られることが少なくなります。
敵の状態とは
- ボールを奪いに来ているのか
- ただコースを限定しているだけなのか
これらをボールが自分に向かってきているときに一度、首を振って確認します。
自分がボールを持っているとき
自分がボールを持っているときは
優位なポジションにいる味方
これを見ます。
言い換えると自分よりもチャンスを作れそうな味方です。
自分より優位なポジションに味方がいないこともあります。
その場合は自分でボールを運ぶのがいいかもしれません。
これらが周りを見るときの基準です。
より詳しく周りを見ることについて知りたい方はこちらの記事をご覧ください▼
今日の記事と合わせて読むと理解が深まります。
≪周りが見れる選手は「いつ」「何を」見ている?「視野の広い選手」になる方法
いい選手が見ているもの
では、いい選手が「なにを見て」、「なにを考えているか」について考えていきましょう。
いい選手は
- 次のプレーで向かうべき人や場所
- 相手がどう動くか
この2つを見ています。
いい選手は必ず次のプレーのことを考えているんやな。つまり未来が見えているということや。
順番に説明します。
次のプレーで向かうべき人や場所
次のプレーで向かうべき人や場所とは具体的に言うと
- 次にパスをする味方選手
- 味方選手が狙っているスペース
- ドリブルを仕掛けるスペース
- ゴール
などのことです。
いい選手は自分がボールをもらう前に、「あそこのスペースが空いてるな」、「あの選手にパスを出そう」など、すでに次のことを考えながらパスを受けています。
これが非常に大事です。
次に向かうべき人や場所をここでは「目的地」とさせて頂きます。
要するにいい選手は
次の「目的地」にどう進むかを考えながらプレーしている
これなんですね。
先ほども言いましたが、次の一手を考えていると言ってもいいでしょう。
例えば
このような場面を考えてみましょう。
④番がボールを持っているとき、②番の選手がフォローに行きます。
ボールを持っている選手をフォローすることは多くの選手ができています。
②番が「いい選手」ならボールを④番からもらう前に、⑧番を認識して「ここにパスを出そう」と先のことを決めているということです。
ここで注目したいのは
認識の中心がボールではない
これですね。
これがいい選手の特徴です。
もちろんボールも見ていますが、「目的地」をすでに認識して頭に入れています。
マンチェスターシティのデ・ブライネやロドリを観ていても、ダイレクトでポンポンはたいていくよな。
あれは次に出すところを決めているからできることや。
相手がどう動くか
続いて相手がどう動くかです。
サッカーは相手がいるスポーツなので、ボールが動くと相手も動きます。
同じ状況がずっと続くことはないわけです。
次に出すところを決めていたとしても、そこのコースを相手が塞いでくることは当たり前に考えられます。
ポイントは
相手がどう動くかを予測している
ということです。
例えば
④番が②番にパスを出すときに②番が、⑩番がどう動くかを予測できているかどうかということです。
⑩番がどのように動くかをある程度予測できていたら、⑩番が上のように動いてボールを取りにきても焦ることはなくなるわけです。
ここでいちばんいけないのは、⑩番が動いてくる予測を立てずにボールだけ認識して⑧番にそのままパスを出して取られることですね。
相手の動きを予測せずに、ボールだけ見てトラップしようとするから急に相手が近づいたように感じるわけや。そのまま焦って取られてしまう。
いい選手は相手の未来も見ているんですね。
より視野が広い選手になるために「間接視野」について書いた記事はこちらです▼
≪一流選手は「間接視野」で見ているから視野が広い!「間接視野」の使い方徹底解説
いい選手のボールの受け方
いい選手は必ず少し先の未来を見ながら次のプレーを考えていることがわかりました。
次に見ていきたいのは、いい選手のボールの受け方です。
いい選手は
必ず「目的地」とつながる位置に移動してボールを受ける
ということです。
「目的地」とは次のプレーで向かうべき人や場所でしたね。
要は、いい選手は「目的地」を認識した段階で、「目的地」に出しやすい位置に移動しながらボールを受けるということです。
どういうことかというと、例えば
このような場面があったとします。
青の④番は②番にパスをだそうとしています。
ですが、普通に②番に出すと
赤④番が②番のボールを取りに来るか、⑧番へ次のパスを出させないようにしてきます。
それを考えた上で②番は
パスをもらう前かパスが出た後に上の図のようにライン際まで開いて⑧番へのパスコースを確保しながらフォローに入るのです。
これがいい選手のボールの受け方です。
繰り返すけど、次にパスを出すところとつながれるところに移動しながらボールを受けるということや。
ここまで聞いて難しいなと感じた人もいると思いますが、次に出すところと相手の位置さえ認識していればそれほど難しくはありません。
ポイントは
「次にどこに出そうか」と常に考えていること
これだけです。
※次のことが考えられるようになる方法は後ほど解説します。
なぜサッカーで三角形をつくることが重要か?
さて、ここまでの話や図を見ていて気付いた人もいるかもしれませんが、いい選手がフォローをすると常に
三角形ができる
ということです。
サッカーでは三角形が大事だとよく言われます。
- ボールを持っている人
- 自分
- 目的地
この3点で三角形ができます。
このボールを持っている人と自分と「目的地」のつながりの繰り返しが連携になるということです。
そして最終的にゴールとつながる三角形ができます。
では、なぜサッカーでは三角形をつくることが重要だと言われるのでしょうか。
理由は簡単で、ピッチ上で3人の関係をつくることで、パスコースが2つでき、ボール保持率を上げることができるからです。
このような場面ですね。
確かに1人より2人のほうがパスコースが増えて、ボール保持には有利に働きます。
ただ、ここで大事なのは前線の2人、⑧番と⑨番のつながりです。
⑧番と⑨番の認識がお互いにつながっていることではじめて三角形が成立し、次のプレーへの連続性が生まれます。
つまり三角形をつくる上で重要なポイントは
ボールを受ける側の2人がつながっていること
これなんですね。
ボールの受け手が「目的地」とつながっていてはじめて連携が生まれます。
いくら三角形ができていても次のプレーが意識されていない三角形ではあまり意味がないわけです。
さらに三角形のポイントはもう一つあります。
三角形の頂点を認識しているか
これですね。
理由を説明します。
三角形の頂点とは三角形でいちばんゴールに近い人のことです。
サッカーはゴールを決めるスポーツなので、まず最初に認識しないといけないのは、もっともゴールに近い選手に届けるルートです。
ボールを持っている人のパスの優先順位は
- 三角形の頂点の味方選手
- 頂点の選手とつながっている味方選手
①→②の順番になります。
①に出せないときは②に出せば、②を経由して①に届けることが可能ですよね。
これは相手ゴールに近づけば近づくほど重要な考え方になります。
ゴールにいちばん近い選手にボールを届けることができれば、ゴールに直結するからです。
ゴールとのつながりが強い選手にボールを預けることができれば点が入る可能性が高いです。
いい選手はこれらを認識しながらプレーしています。
次のプレーを考えられない選手の特徴
では逆に次のプレーを考えられない人の特徴を考えていきましょう。
結論から言います。
次のプレーを考えられない人は
認識の中心がボールである
これですね。
例えば、守備のときを考えてみましょう。
相手がディフェンスラインからボールを回して、ビルドアップしているときに自分がFWとしてボールを追いかけているとします。
このような場面です。
よく観ると思います。
ボールしか認識していない選手はボールを取りに行ってはパスを出されて、その後を追いかけるというのを繰り返してしまいます。
そしてボールは取れないまま最後にはヘトヘトになるまで走らされてしまうというパターンです。
逆にいい選手がどうするかというと、次にパスが出そうなところを考えながらコースを限定していくんですね。
子どもの団子サッカーを考えてみたらよくわかるで。ボールしか見てないからみんなずっとボールのあとばかり追いかけてるやろ。
これを変えていくには
ボール中心の認識→目的地の認識
にしていく必要があります。
具体的な方法については次で説明します。
「次のプレーを考えられる」ようになるトレーニング
ボクから提案するトレーニングは3つです。
個人でできるのが2つ、指導者が必要な練習が1つです。
- 自分の試合の映像を観る
- 世界のサッカーの試合の映像を観る
- フリーズコーチングを取り入れる
の3つです。
前2つが個人でできることで、最後の1つはコーチがやってくれたらということになります。
順番に解説します。
自分の試合の映像を観る
自分の試合の映像を観るとなぜいいのかというと
「ピッチ内で自分が感じたこと」と「実際のプレーの状況」をすり合わせることができる
からです。
例えば
- 「あの時はもっと敵が近くにいると思ったけど、実際はターンする余裕があったんだな」
- 「逆サイドに味方はいないと思ってたけど、ちゃんとスペースを狙って走ってたんだな」
- 「ボールばかり見ていたから、自分の後ろのスペースを狙われていることに気づいていなかったな」
などなどです。
もちろんサッカーでまったく同じ場面はないです。
ですが、これらをすり合わせていくことで、自分の中で「なにが認識できていなかったのか」「次はどうすべきか」というのが経験として積み上がっていきます。
経験が積み重なると、ピッチ上で「この状況なら逆サイドを見とくべきだな」というのが徐々にわかってきます。
映像を観るうえで注意してもらいたいのは、
ボールばかり観ないこと
これですね。
せっかく映像を観ていても、ボールばかり追って観てしまうと、ピッチ上の認識とあまりかわりません。
大切なのは自分が「なにを認識していて」「なにを認識していなかったのか」がわかることや。
もし、ビデオで試合の映像を観ることが難しい場合はスマホで10~15分の映像を撮ってもらって観るのでもかまいません。
たくさん観ていけば経験は積み重なっていきます。
シャビはサッカーをするとき、脳の記憶をつかさどる部分が活性化するんや。
それはどういうことかというと、サッカーの場面の膨大な記憶を脳に蓄えとって、それを瞬時に思い出すようにして「この場面ならこう」と判断しているということや。
だからサッカーを観て、経験を記憶していくことはめちゃくちゃ大事なんやで。
世界のサッカーの試合の映像を観る
世界のサッカーの映像というと、「Jリーグの映像じゃダメなのか」という声が聞こえてきそうですが、結論Jリーグでもいいです(笑)。
ですが、本当はヨーロッパのサッカーを観るのほうがいいです。
なぜならば、今いちばん強くてレベルの高いサッカーが正解だからです。
ただ、特にめちゃくちゃ好きな選手がいるという場合は、その選手がいるチームを追いかけて観ていけばいいと思います。
では、世界のサッカーをどのように観ていくかというと
次のプレーをどうするかを考えながら観る
これですね。
例えば自分が好きな選手を追いながら、好きな選手がボールを持ったときに一旦停止します。
そして、この選手は次にどこに出すだろうと考えながら観てみましょう。
自分がディフェンスならばこの選手は「どこのスペースを狙っているのか?」などを予測しながら観るのもいいでしょう。
これがなぜいいかというと
止めたときに周りの選手とのつながりがわかるから
です。
周りの選手とのつながりがわかった上で、この選手はこのプレーを選んだということがよくわかります。
もちろん楽しみながら観るのも大切ですが、このように次のプレーの予測力を高めていくとピッチ上でも俯瞰してピッチを観れるようになってきます。
フリーズコーチングを取り入れる
このメニューはコーチが必要なメニューです。
フリーズコーチングとは
ゲーム形式の練習でコーチがプレーを途中で止め、選手に直前のプレーについて問いかける練習
です。
コーチは
- 「今はどうするべきだった?」
- 「逆サイドは見えていた?」
などと問いかけていきます。
そうすることで、この場面では「あの選手がスペースを狙っていたんだな」というのがだんだんわかってきます。
少しずつ次を考えたプレーができるようになります。
まとめ:「次のプレーを考えること」とは「次のプレーを想像すること」
まとめいきましょう。
今日は「周りを見ること」は「次のプレーを考えること」なんだよということをお話してきました。
もっと言うと、「次のプレーを考えること」とは「次のプレーを想像すること」です。
サッカーではイマジネーションが大事だなんて聞いたことがあると思います。
それのことですね。
周りを見る基準はいちばんシンプルに言うと
- 味方
- 相手
- スペース
これらを認識することです。
ただ、基準はわかったけど
- 「味方のなにを見たらいいの?」
- 「相手のなにを見たらいいの?」
- 「スペースのなにを見たらいいの?」
というところがわからない人が多いですよね。
いい選手は「味方の位置」「相手の位置」「スペース」を見て、その情報をもとに次のプレーを想像しながら動いています。
今ぱっと目に入ってきた味方の位置や相手の位置で、「次はここを攻めてやろう」と考えているんですね。
これは最初は難しいですが、今日お伝えしたことを少しずつやってもらえば、必ずできるようになります。
とにかくボールが来る前に頭を振って相手がどこにいるか、味方がどこにいるか、あそこのスペースにボールが出たら面白いことになりそうだなと考えて下さい。
要は、ボールが来る前に「次はあそこに仕掛けたろう」と思うだけです。
そんなに難しいことはありません。
これが出来るようになってくると、もっと先の2手、3手がわかるようになってきます。
そうなれるように頑張りましょう。
やっていけば必ずできます。
以上、長くなりましたので今日はこの辺で終わります。
わからないことがあれば、お問い合わせフォームやX(Twitter)で直接聞いていただければお答えします。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
少しでも皆様のサッカーライフが充実して、よりサッカーを好きになってくれたら嬉しいです。
サッカーさいこー
ブログさいこー
おしまい。