こんにちは!ちくです!
サッカー歴30年以上の大ベテランで、日々サッカーの研究をしているサッカー研究家です!
サッカー好きですか?
ボクは大好きです!
今日のテーマは間接視野です。
- ドリブルをしていると周りを見れない。
- ドリブルするときに相手が来ると焦ってしまう。
- パスのとき、ボールをしっかりと見て蹴ると味方が移動していることがある。
このような悩みを抱えている人は多いです。
ドリブルしているとき、よくコーチに「顔を上げろ」「ルックアップ」などと言われませんか?
「顔を上げろと言われても、顔上げたらドリブルできないんですけど…」と思いますよね。
それを解決してくれるのが間接視野です。
実はボクは最近まで間接視野という概念を知りませんでした。
もっと早く知っておけば、もっといい選手になっていたと思います(笑)。
間接視野を理解して、子どもの頃から磨いているのとそうでないのは、間違いなく大きな差が出ます。
海外の一流選手は間接視野を子どものときから使いこなしています。
ぜひ今日の記事で間接視野を理解して使いこなせるようになりましょう。
それでは始めます。
周りを見ることについて詳しく書いた記事はこちらです▼
≪周りが見れる選手は「いつ」「何を」見ている?「視野の広い選手」になる方法
間接視野とは?
間接視野とは、直接見ている対象以外の周辺の視野のことを指します。
これは、中心視野(直接注視している部分)以外の、視界の端にある領域での視覚情報の認識を意味します。
簡単に言うと、目の前にある何かを見たときにぼやーっと見える周りの景色などのことです。
例えば
今ボクの目の前にはコップがあります。
このコップを見ようとコップに集中するとコップしか見えません。
ですが、コップを見ながら目を動かさなくても、その隣にはパソコンがあって、その横にはおやつのゴミがあってと、ぼやーっと周りを見ることができます。
これが間接視野です。
他にも、
今、部屋の端にあるテレビに目を向けたとします。
目をテレビに向けたままでも、目の前にあるコップも同時にぼやーっと見ることができます。
これですね。
何かに視線を固定しても意識を広げると周りになにがあるか見えてきますよね。
つまり人間の目にはいろんなものが同時に入ってきてるんやけど、意識を広げへんとひとつのものしか見えへんねんな。
この間接視野を意識的に使うとボールを見ながら、周りも見ることができるようになります。
なぜ間接視野が重要か?
間接視野を磨いていくと何ができるかを考えていけば、なぜ重要なのかがわかります。
間接視野を磨いていくと
- キーパーの動きを把握しながらシュートが打てる
- 周囲の状況を見ながらパスができる
- 相手を見ながらドリブルができる
これら3つができるようになります。
ボクが今日どうしても伝えたいポイントは
ボールはしっかり見ずとも正確に蹴れる
これなんですね。
間接視野を使いこなせれば、ボールをほとんど見んでも「パス」「ドリブル」「シュート」ができるようになるというわけや。これがめちゃくちゃ大事や。
では順番に見ていきましょう。
キーパーの動きを把握しながらシュートが打てる
まず元日本代表監督でジェフの監督だったオシムさんが行っていたトレーニングを見てみましょう。
当時オシムさんがやっていた単純な「ポスト・シュート」に関してです。
このときにオシムさんが少し変わったことをします。
ゴール前にポスト役が一人立ち、ポスト役に向かってパスを出し、落としたボールをシュートします。
その時にオシムさんがゴールの後ろに立って、選手に左右のどちらに打つか指示を出します。
それも選手が踏み込んで、まさにボールに当たる瞬間に右か左か指示を出すわけです。
当時の日本人選手は誰もできなかったそうです。
ただ、そのときジェフに所属していたチェ・ヨンス選手とミリノビッチ選手はできました。
この2人の選手はボールを間接視野でとらえながら、オシム監督の指示を把握しており、蹴る寸前に右か左か蹴る方向を変えていたんですね。
要するに、チェ・ヨンス選手とミリノビッチ選手はキーパーの動きを把握しながら一瞬でシュートコースを変えることができるということやな。
これはマスターすればすごいですよね。
他にも遠藤保仁選手のコロコロPKを思い出して下さい。
遠藤選手はPKのとき、キーパーが動いたのを見てから、キーパーの逆方向へゆるいゴロで蹴ります。
当時は本当にそんなことができるのかと思ってましたが、これも間接視野を使っていたんですね。
当時の映像を観ても、遠藤選手はキーパーのほうをずっと見ながらほぼボールを見ずに蹴っているのがわかります。
周囲の状況を見ながらパスができる
続いてパスをする状況を見てみましょう。
自分がボールを持っているときは
自分より優位な状態にいる選手
を見ます。
このときに、ボールにばかり集中してしまうと、自分より優位な状態にいる選手を探すことができません。
ボールの位置を間接視野で確認しながら周りの状況をよく見ることで、より多くの情報を仕入れることができます。
間接視野を使うことでボールをあまり見ずに周りの状況を見ることができるということやな。
冒頭でも書きましたが、よくあるのが自分がパスを出そうと決めたときに、パスを出そうとした味方が別の方向に動き出してしまうことです。
ボールだけをしっかりと見て蹴るとどうしてもそのようなズレが起こります。
間接視野を使ってパスを出すギリギリで蹴る方向を変えることができるなら、味方が別の方向へ動いたのを確認してから、蹴る方向を変更することができます。
先ほどのシュートをギリギリで左右に蹴り分けるのと同じです。
相手を見ながらドリブルができる
ドリブルで相手をかわしていくときにも間接視野を使うことができます。
メッシはカットインしていくときに
「ボールがあるところはわかっているから、相手の足を見ながら抜いていく」
と語っています。
メッシの映像を観てみると、やはり視線は斜め前に向かっていてボールばかり見ていないことがわかります。
メッシは相手の足や動きを見ながら、足を出してきたらかわすようにして抜いていってるんやな。ボールは間接視野を使って大体の位置を確認しているだけや。
メッシは相手ディフェンダーの股の間を通してシュートを入れることも多いですが、これも相手の動きを見ているからできる芸当ですよね。
間接視野をうまく使いこなすことでこれほどのメリットが得られるわけです。
なぜ間接視野で蹴れないのか?
ボクが子どもの頃に教えてもらった蹴り方のステップは
- キーパーを確認する
- ボールの真横に踏み込む
- ボールをよく観ながら正確に蹴る
です。
今はどうかわからないですが、当時は基本の蹴り方を大事にする指導者は非常に多かったです。
どんなコーチに聞いても「ボールをしっかりと観ろ」という答えが返ってきました。
この基本の蹴り方が体に染み込めば染み込むほど、間接視野で蹴ることができなくなります。
これは推測になりますが、今でも多くの人が「ボールをしっかり観て蹴る」と教わっているのではないでしょうか。
ボールをしっかりと観ると直接視野になって周りは見れなくなってしまうからやな。
間接視野で蹴れるようになる方法
ではどうすれば間接視野でボールを蹴れるようになるかを考えていきましょう。
ポイントは2つあります。
- 自分のボールを「蹴る場所」を確立する
- 最初から間接視野で蹴る
です。
よくわからないと思うので順番に説明します。
自分のボールを「蹴る場所」を確立する
ボールを「蹴る場所」とは、自分がボールを蹴るときにここに置けば正確に蹴れる場所のことです。
「蹴る場所」が確立されていたら、ボールを凝視しなくても蹴ることができます。
メッシのプレーを見ていると、ほとんど同じところにボールを置いているのがわかるで。
パスを出すときもシュートを打つときもほとんど左足の斜め前や。すべてそこから蹴り出してるで。
そこがメッシの「ボールを蹴る場所」ということです。
要は、見なくても蹴れる場所を自分で作ってしまうということです。
これを確立するためにはたくさんの練習が必要になりますが、確立してしまえば、そこにボールを置くことさえできればボールを観ずに蹴ることができるようになります。
最初から間接視野で蹴る
最初にボールを蹴ることを教えるときに、「ボールをよく観て蹴るんだよ」と教えるのではなく、前を見て蹴るように教えれば最初から間接視野で蹴ることができるようになります。
蹴り方は人によって違うので、「軸足をどこに置いて」など細かいところまで教える必要はありません。
前を向いて蹴っているうちにだんだんと正確に蹴れるようになってきます。
一度ボールをしっかりと観て蹴るクセがついてしまうと、間接視野で蹴る練習を別でしなくてはならなくなります。
ですので、まだクセがついていないなら最初から前を見て蹴る練習をしましょう。
すでにクセがついてる人は練習することで徐々に間接視野が使えるようになるで。
間接視野を使うトレーニング
実際のトレーニングを紹介していきます。
間接視野はいつもやっているトレーニングでどんどん試していくのがいちばん早いです。
ですので、基本的な練習でやっていきましょう。
- フリードリブルを間接視野で行う
- 対面パスを間接視野で行う
です。
順番に説明します。
フリードリブルを間接視野で行う
これは家の中でもできるトレーニングです。
顔を上げながらランダムにドリブルします。
足の裏でのボールタッチやダブルタッチの練習など好きにドリブルをしましょう。
ポイントは
間接視野でボールをとらえながら、顔を上げてドリブルする
これですね。
顔を上げてボールを間接視野でとらえることで、かなり負荷がかかります。
最初はゆっくりやりましょう。
慣れてきたら、ドリブルのスピードを上げたり、フェイントを混ぜながらやってみましょう。
対面パスを間接視野で行う
これもとても簡単なトレーニングですが間接視野でやると慣れるまで難しいです。
2人一組で向かい合いながらパスを出します。
そのときにボールをあまり見ずに間接視野でとらえながらパスをしていきます。
キックの種類は
- インサイドキック
- インステップキック
から始めるのがいいです。
まずはインサイドキックで、5~10メートルほどの短い距離から始めましょう。
ポイントは
間接視野でボールをとらえながら、顔を上げて蹴る
ですね。
ドリブルの練習と同じです。
キックは最初はかなり蹴りにくいと思いますが、やっているうちにできるようになっていきます。
慣れてきたら距離を伸ばしていって下さい。
長い距離でインサイドキックができるようになってきたら、続いてインステップキックでもやってみて下さい。
インステップキックもかなり難しいですが、あきらめずにやっていくことでできるようになります。
ドリブルやキックが練習でできるようになったら実践でもどんどん使って行こうな!
ドリブルするときは相手の足や膝を見ながら抜いていくんやで。
まとめ:一流になるために間接視野を使いこなそう!
まとめ行きましょう。
今日のテーマは間接視野についてでした。
- 間接視野とはなんなのか?
- なぜ間接視野が重要か?
- なぜ間接視野で蹴れないのか?
- 間接視野で蹴れるようになる方法
- 間接視野を使うトレーニング
について解説してきました。
間接視野とは何かを見たときにぼやーっと見える周りの景色などのことを言いました。
この間接視野をうまく使うことで、
- キーパーの動きを把握しながらシュートが打てる
- 周囲の状況を見ながらパスができる
- 相手を見ながらドリブルができる
このようなことができるようになります。
日々サッカーを研究していると、やはりうまい選手になればなるほど、ボールばかり見ていないことがわかります。
メッシは高速ドリブルをしながらでも、相手の動きや味方の動きまで把握しながらドリブルしています。
間接視野は一流になるために必須のスキルです。
今日まで間接視野という概念を知らなかった人もまったく遅くないので、積極的に練習して使いこなせるようになりましょう。
今日、紹介した練習である程度なれたらあとは実践でどんどん試していけばいいです。
ボールばかり見ずに相手を見る。ボールばかり見ずに味方を見る。これを意識していけばどんどんうまくなります。
ぜひチャレンジしてみて下さい。
以上、長くなりましたので今日はこの辺で終わります。
わからないことがあれば、お問い合わせフォームやX(Twitter)で直接聞いていただければお答えします。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
少しでも皆様のサッカーライフが充実して、よりサッカーを好きになってくれたら嬉しいです。
サッカーさいこー
ブログさいこー
おしまい。