こんにちは!ちくです!
ボクはサッカー歴30年以上の大ベテランで、日々サッカーの研究をやっていますが、最近は『幸福な子育て』に関しても研究しています。
サッカーや子育てを通して、『幸福な親子関係』を築く手助けをしたいと思い発信をしています。
ボクには現在(2024年12月)、6歳の息子と4歳の娘がいます。
そして、もうすぐ3人目が産まれます(笑)。
自分の「サッカー&子育ての研究」を皆様に共有して、少しでも幸せを感じてくれる人が増えてくれたら嬉しいです。
今日のテーマは、『楽しい練習』だけでは上手くならないのか?『つらい練習』は必要なのか?という問題を考えていきたいと思います。
さっそく結論からいきます。
ボクは
『楽しい練習』こそ上手くなる、『つらい練習』は必要ない
と考えています。
「つらい練習も必要だろ!」という声が聞こえてきそうですが、順番に解説していきますね。
では、始めましょう。
『楽しい練習』『つらい練習』とは?
まず楽しい練習とは何なのかを考えてみましょう。
それは子供達がやりたい練習のことです。
例えばサッカーならみんなサッカーがしたくて練習に来ますよね。
バスケットならバスケットがやりたいはずです。
だって好きだからやってるんだもん(笑)。
つまり
試合に即した練習
のことです。
サッカーで言うところの、フットサルやミニゲーム、または試合のことです。
あとは例えば、サッカーテニスやサッカーバレーのようなゲーム性のある練習も子供達にとっては楽しい練習でしょう。
続いて、つらい練習とはなんでしょうか?
これは「ただ走るだけ」とか「サーキットトレーニング」とか子供たちがつらくてあまりやりたがらない練習のことです。
ボクが中学生のときによくやらされたのは
- 200mダッシュ
- 学校の外を走る
- 2人組のパス&ゴー(グラウンドの端から端までを延々と繰り返す)
などなど。
いやーつらかった(笑)。
主に走力中心のトレーニングのことをここでは言っています。
なぜこんなことを言うのか、順番に見ていきましょう。
なぜ『つらい練習』は必要なのか?
先日、ボクは姪と話をしていました。
ボクの姪は小学校5年生で、1年生の頃からバスケットをやっています。
この前、新チームのキャプテンになったほどバスケットに真剣に取り組んでいます。
ボクは姪に「最近バスケットどうなの?」という質問をしました。
すると姪は「最近はちょっと楽しい」と言いました。
なぜ楽しいのかを尋ねると、「ただ走るだけ」の練習が少なくなって、自分が得意なハンドリングやドリブルの練習が増えたからだと言いました。
それで、モチベーションが上がって楽しくなってきているそうです。
つまり姪は「ただ走るだけ」のようなつらい練習が嫌でバスケットがあまり好きになれていなかったということです。
では、なぜ子供のモチベーションを下げるような『つらい練習』をする必要があるのでしょう。
これは指導者が『つらい練習』をすると
成長すると思っているから
ですよね。
もしくは『楽しい練習』だけでは
成長しないと思っているから
ではないでしょうか。
本当にそうなのか、もう少し考えていきましょう。
『つらい練習』をすると成長するのか?
走力中心のつらい練習をすると何が成長するかを考えてみましょう。
- 持久力
- 身体能力
- 精神力
ぐらいしか思いつかないですが、他にもありますかね?
主に心と体が鍛えられるというイメージです。
確かに、上で挙げたような部分は少しは鍛えられるかもしれません。
ですが、大きな問題は、子供がモチベーションを落としてしまうところです。
上の能力と引き換えに、
- スポーツが好きではなくなる
- モチベーションが下がる
- 夢中になれない
などのデメリットがあります。
そして、モチベーションが落ちたままやっているということは、誰かに強制されてやっているということに他なりません。
意欲的に取り組めていないので、コーチが観ていないとサボるという子供も出てくるでしょう。
つまりそこに自主性はないわけです。
モチベーションを下げるだけやなくて、『つらい練習』が嫌で辞めてしまってる人もいるという事実は無視できひんで。
続いて、『楽しい練習』だけでは成長しないのか?を考えていきましょう。
『楽しい練習』だけでは成長しないのか?
多くの指導者は子供達が楽しいと思う練習だけやると
- 持久力がつかない
- 身体能力が上がらない
- 精神的に弱くなる
- サボる子が出てくる
などと考えるのではないでしょうか?
だから楽しい練習ばかりやってはいられないと。
では本当にそうなのか、順番に見ていきましょう。
持久力がつかない
フットサルやミニゲームを真剣にやったことがある人ならわかると思いますが、ある意味、ふつうのサッカーよりもたくさん走るし、たくさんダッシュします。
ですので、ミニゲームのルールを持久力がつくように工夫していけば、どんどん持久力はあがります。
例えば
- コートを大きめにとる
- 人数を減らす
- ボールを取られたら全員がダッシュで自陣に戻る
など、走ることに特化した条件をつけていけばいいのです。
そうすると持久力の問題は解決します。
身体能力が上がらない
持久力と同じように、ミニゲームを工夫していけばダッシュ能力や身体能力を上げることはできます。
鍛えたい状況がたくさん出るようにゲームに条件を付ければいいだけだからです。
例えば、
- ボールを奪ったら5秒以内にシュートまで行く
- シュートを打つときには全員がハーフラインを越えている
などの条件を付けたミニゲームをやると、よりダッシュは必要になります。
条件を付けてもゲーム性がある練習なので、子供達は楽しんでやると思います。
ただ、難しい条件なんか付けなくても、フットサルやミニゲームをたくさん真剣にやっていけば、小学生年代ならかなりの身体能力が手に入るはずやで。
精神的に弱くなる
辛いことをやると精神的に強くなると思いがちですが、実はそんなことはありません。
辛いことをやり続けると
嫌なことでも我慢してやる力
がつくだけです。
要は、苦痛に慣れる力がつくだけなんですね。
サッカーやバスケットなどの対相手がいる競技で大事な精神力とは
困難な状況を打破する力
のことですよね。
サッカーやバスケットでは試合中にたくさんの困難な状況が訪れます。
それを乗り越えるためには、同じような状況をたくさん経験する事こそが大事です。
大切な試合中に困難な場面に遭遇したとき、「この状況は練習や練習試合でも経験したことがある」と思えたら対策を打てます。
逆に「あれだけ辛い練習をしてきたんだから」と考えても困難は打破できません。
サッカーやバスケットでの精神力とはたくさんの経験によってのみ獲得できるんや。そのためには、たくさんのミニゲームや試合の経験を積むしかないで。
つまり、楽しい練習をたくさんやる事が大切です。
サボる子が出てくる
最後に『楽しい練習』だけしているとサボる子が出てくるのか問題です。
ボクの家は田舎なので、まだサッカーボールを蹴られる公園が少し残っています。
そこでよく、サッカーをやっている子供達を見ます。
彼らはみんなが本当に楽しそうに、一生懸命、夢中になってボールを追いかけています。
サボっている子なんて一人もいません。
何が言いたいかというと、子供達は
楽しい練習なら夢中になってやる
ということです。
先ほども言いましたが、つらい練習やつまらない練習をするから人にやらされている状態になり、サボる子が出てくるのです。
子供たちは本当に楽しいことは夢中になってやります。
『楽しい夢中になれる練習』をすると一気に成長する
さて、ここまで『つらい練習』『楽しい練習』について見てきたように、
つらい練習は
子供のモチベーションを下げてしまう
楽しい練習は
子供を夢中にさせる
ことがわかりました。
それでも、やっぱりつらい練習が必要なのではないかと思っている方も沢山いると思います。
最後にボクの経験を書いておきます。
ボクは小学生の高学年になったころからサッカーに夢中になり、毎日、放課後の小学校のグラウンドでサッカーをやるようになりました。
小学校のグラウンドにいる友達を集めてサッカーをやります。
めちゃくちゃ楽しくて、毎日ヘトヘトになるまで夢中でやっていたのを覚えています。
別に厳しい練習もつらい練習もしたわけではないけど、その時期にめちゃくちゃ上手くなりました。
小学生のときに所属した少年団で、最初の実力は真ん中ぐらいでしたが、5、6年で一気に一番になりました。
そして、中学生になると先生が厳しい人で、めちゃくちゃ走らされました。
毎日、学校の外周りを10周走ってから練習がスタートして、少しでもだらけているとすぐに200mダッシュ10本などの走る練習が待っています。
学校内のマラソン大会ではサッカー部は上位に名前を連ねましたが、肝心のサッカーでは大した成績を収められませんでした。
ちなみに、学校の外を走っているときは周回数をごまかしたり、近所に住んでいる友達の家に麦茶を飲みに行ったりしてサボる人が多かったです(^^;
中学で毎日あれだけつらい練習をしたのに、ボク自身、5、6年生の時のような目覚ましい成長を感じたことはなかったです。
それどころか、中学、高校ではほとんどサッカーの実力は変わってないように思います。
この経験からもつらい練習ばかりやっていても、上手くならないとわかっています。
本来、子供は自分の好奇心にそって、夢中になったら勝手に実力をつけていきます。
ですが、今の日本社会に生きていると、
つらいことを頑張って耐えた先に栄光がある
というメッセージがSNSやらメディアを通してめちゃくちゃ飛んで来ます。
誰かが「辛いことをせんと成功しない」と思い込ませようとしてるように感じるで。
だから『つらい練習』が必要だとみなさんが思う気持ちはわかります。
しかし、今まで見てきたように
楽しい練習を夢中にやれば上手くなる
これなんですよね。
だから、特に小学生年代では『つらい練習』をするよりも、子供がスポーツを少しでも好きになる練習を心がけて欲しいです。
まとめ:努力は夢中に勝てない
まとめ行きましょう。
今日は『楽しい練習』だけでは上手くなれないのか?『つらい練習』は必要かについて考えてきました。
ここまで見てきたように、『つらい練習』は子供の心をスポーツから遠ざけてしまう可能性があります。
『楽しい練習』は子供をスポーツ好きにさせて、夢中にさせる可能性があります。
どっちを選ぶかは明らかではないでしょうか。
最後にボクの好きな言葉を紹介しておきます。
努力は夢中に勝てない
これですね。
本当に大切なのは
自分が楽しいと思うことを夢中になってやる
これだけです。
夢中になってやっているときに人はめちゃくちゃ成長するし、一気に個性が輝きだします。
子供たちの笑顔を大切にしていきたいと思っています。
以上、長くなりましたので今日はこの辺で終わります。
わからないことがあれば、お問い合わせフォームやX(Twitter)で直接聞いていただければお答えします。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
少しでも皆様が幸福な親子関係を築ける手助けになれたら嬉しいです。
おしまい。