こんにちは!ちくです!
サッカー歴30年以上の大ベテランです!
今日はサッカーのパスについて勉強していきましょう。
- パスについて詳しく教えてもらったことがない…
- パスにコツってあるの?
- パスがうまくなるにはどうすればいいの?
蹴り方やドリブルの仕方については教えてもらうことが多いですが、パスについて詳しく教えてもらったことがある人は少ないんじゃないでしょうか。
ボクは小・中・高とずっとトップ下をやってきた生粋のパサー&パスオタクです。
小学生の頃に当時高校サッカーで活躍した上野良治選手に憧れてから、ひたすらパスのうまい選手ばかり追いかけてきました。
今日はそんなパスオタクのボクがパスの蹴り方から練習方法まで徹底的に解説していきます。
今日紹介する内容は
- パスの目的
- うまいパスとは?
- サッカーで使うパスの種類
- パスで使うキックの種類
- パスがうまい選手の特徴
- パスのコツ
- パスの精度を上げる方法
- パスがうまくなる基本練習メニュー
- 小学生年代におけるパスかドリブルか問題
- パスがうまい選手の紹介
- パスを受ける技術
の11個です。
長くなったので気になるところから読んでください(^^;
今日の記事を読んでもらえばパスがうまくなることは間違いありません。
パスがうまくなるとサッカーが何倍も楽しくなります。
これはパスがうまくなることで選択肢が一気に増えるからです。
選択肢が増えるとドリブルでも抜けるようになります。
選択肢の多い相手はなにをしてくるのかわからずに、読みにくいからですね。
マスターしない手はないですよね(笑)。
では見ていきましょう。
パスがうまくなればドリブルもうまくなる。一石二鳥やな。
パスの目的
パスはなぜするのでしょう。
これはサッカーの目的から逆算するとわかります。
サッカーの目的はゴールを奪うことです。
ですので、パスの目的も大きく言うとゴールを奪うことになります。
もう少し深掘りすると
ゴールを奪うために、味方に次のプレーがしやすいボールを渡すこと
です。
効率よく点を入れるためにはドリブルだけでは無理が生じます。
ですので、パスをしてゴールに向かって行くわけです。
効率的にゴールを奪うための手段としてパスを使うんだね。
うまいパスってどんなパス?
では、うまいパスとはどんなパスでしょうか。
いろんなパスがあると思います。
- さわればゴールできるスルーパス
- 点で合わされたクロス
- 展開をガラッと変えるサイドチェンジ
などなど。たくさんあります。
うまいパスとは
受け手が次のプレーをしやすいパス
と言えます。
もう少し具体的に言うと
- パスを出すタイミング
- パスのスピード
- パスを出す場所
この3つがピタッとあったパスは受け手が次のプレーをしやすいパスになり、うまいパスと言えるでしょう。
かつてキラーパスが得意な選手がいましたが、なかなか味方の選手が追い付けないパスを何度も出していました。
確かに、それに合わせることができれば確実に1点入るようなパスでしたが、味方はさわることができません。
そのプレーを観てボクはパスがうまいとは感じませんでした。
味方が次のプレーをしやすいパスではないからですね。
その時の周りの選手のレベルが低かったのかもしれませんが、レベルの低い選手でもゴールできるパスがいいパスだと思っています。
パスは受け手がおってこそ成り立つプレーやから、独りよがりなパスはよくないな。
サッカーで使うパスの種類
一言にパスと言っても様々な種類があります。
試合でよく使われるパスにはどんなパスがあるのか説明していきます。
今日、紹介するパスは
- ショートパス
- ロングパス
- 縦パス
- バックパス
- ワンツーパス
- スルーパス
- センターリング(クロス)
- ダイレクトパス
です。
順番に見ていきましょう。
ショートパス
ショートパスとは短い距離でおこなわれるパスのことです。
試合でもっとも使うことが多い基本のパスです。
すぐ近くにいる人へのパスなので、インサイドキックで転がすボールがほとんどでしょう。
インサイドキックに関しては後ほど解説します。
ロングパス
ショートパスとは対照的に長い距離を蹴るパスのことです。
よく使われるロングパスは逆サイドへのサイドチェンジやディフェンスラインから一気に前線のフォワードへ届かせるパスです。
その他にも後方からスペースへ走り込んでる味方へ出すパスなどもあります。
距離が長い場合はすべてロングパスと言います。
基本的にはインステップやインフロントで浮かしたボールを蹴ることが多いです。
インステップ、インフロントに関しては後ほど解説します。
縦パス
縦パスとは自分より前にいる選手にパスを出すことです。
サッカーではフォワードとミッドフィルダーやミッドフィルダーとディフェンダー、フォワードとディフェンダーのように前後の関係にあることを縦の関係と言います。
縦の関係の中でも前にいる選手に出すパスを縦パスと言います。
よく使われる縦パスにポストプレーがあります。
これはボランチやディフェンスラインからセンターフォワードへ送るパスのことです。
センターフォワードにボールを預けることで、相手ディフェンスラインが動き、新たなスペースが生まれます。
そこからサイドへ散らしたり、フリーになった選手へつなげることでチャンスが広がるプレーです。
バックパス
縦パスとは逆に、前の選手から後ろの選手へ出すパスのことをバックパスと言います。
フォワードからミッドフィルダーへやミッドフィルダーからディフェンダーへなど後方に下げるパスはバックパスです。
観ている側は「消極的だ」や「前に攻めろ」と思うかもしれないですが、バックパス一本で展開が変わってゴールにつながることもある重要なパスです。
特に現代のサッカーはキーパーもフィールドプレーヤーのひとりとして、バックパスを受けて足でコントロールして前線へパスを出すというシーンが増えています。
キーパーに渡すことで数的優位が作れるからです。
キーパーにもボールコントロールなどのテクニックが求められる時代に突入しています。
ワンツーパス
ワンツーパスとはパスの出し手がパスを出したのと同時に前に走り、受け手がダイレクトで出し手に戻すリターンパスのことを言います。
パスの受け手を壁に見立てて、「壁パス」と呼ばれたりもします。
図のようなパスですね。
『キャプテン翼』の翼くんと岬くんのゴールデンコンビをイメージしてもらえるとわかりやすいです(しらん?(^^;)
パスの受け手(壁役)と共通の意識を持っていないとなかなか難しいプレーです。
ですが、相手ディフェンダーは必ずパスを出した先に意識を取られるので、うまくやれば非常に抜きやすいです。
簡単に相手を置き去りにできるようになるので、「こんな時はワンツーな」と仲間と練習してみて下さい。
スルーパス
スルーパスとは相手ディフェンダーの裏へのスペースに走り込んでいる選手に出すパスです。
基本的には走っている味方の選手の後方から、味方を追い抜いていく形で出されるパスなのでスルーパスと言われます。
こういうパスですね。
上のようなパスが通ったらもはやキーパーと1対1の形になるので、ほぼゴールというパスです。
うまいスルーパスは相手ディフェンダーを骨抜きにしてしまいます。
ボクはこのスルーパスが大好きで、後はさわるだけというようなスルーパスはもはや芸術の域なんじゃないかと勝手に思っています(笑)。
ですので、美しいスルーパスを出す、ルイ・コスタや中村俊輔選手が大好きなんですね。
今は戦術が発達して絶滅危惧種(絶滅した?)になったトップ下というポジションで、美しいスルーパスをだすファンタジスタがまたどんどん出てきて欲しいです( ;∀;)
センターリング(クロス)
センターリングとはサイドから真ん中の選手に点を取らせるようなボールをペナルティエリア付近に送ることです。
基本的にはインフロントでカーブをかけてヘディングに合わせる浮き球をイメージする人が多いと思います。
近くのポストにめがけてゴロに近い弾道で出すパスもセンターリングです。
なんせ点を取らせる意図で中に入れるボールをセンターリングと言いますね。
こういうやつです。
上のように、少しパスの出し手が低い位置(自陣ゴールに近い位置)からセンターリングを上げることをアーリークロスと言います。
センターリングと言えばボクの世代ではベッカムですね。
ベッカムのセンターリングの精度は針の穴をも通すんじゃないかというレベルでした。
ダイレクトパス
ダイレクトパスとは来たボールを止めることなく次の選手につなぐパスのことです。
ワンツーも大きく言うとダイレクトパスですね。
止めるというプレーを省くために展開が早くなるのと同時に、相手に考えさせる隙を与えないというメリットがあります。
パスの出し手はボールが来るまでに次にパスを出すところを見ておかないといけないので、少し難易度の高いパスと言えるでしょう。
視野の広い選手が得意なパスと言えます。
後ほど出てきますが、小野伸二選手はダイレクトパスが非常にうまく、ダイレクトパスでゲームを組み立てていく選手です。
簡単にパスっていうけどいろんな種類があるんだね。
細かく言うともっとあるけど、今日出てきたパスを知ってたらだいたいのことはわかると思うで。
パスで使うキックの種類
ここからはパスで使うキックを紹介していきます。
先ほども言ったようにパスとは
ゴールを奪うために、味方に次のプレーがしやすいボールを渡すこと
です。
ですので、この場面はこのキックじゃないといけないというような決まりはありません。
自分の蹴りやすいキックを選択して味方がプレーしやすいボールが行けばオーケーです。
自由な感覚でパスを出していきましょう。
なんでこんなことを言うのかと言うと、コーチによっては
- 「ここは正確にインサイドキックを使え」
- 「相手を見てからボールをしっかり見て蹴れ」
- 「ヒールキックは使うな」
などとかなり細かいことを指定することがあるからです。
基本は大事ですが、良い選手は応用もうまいです。
大事なことですが、
ロナウジーニョなどのうまい選手は基本が完璧になってから遊び心のあるプレーをし始めたわけではないということです。
基本も自由なプレーも同時に練習してきたから面白いプレーができるようになっているはずです。
いろんなプレーを試していきましょう。
※パスだけではなく他のプレーも同じです
それでは本題に入っていきましょう。
インサイドキック
インサイドキックは足の内側の土踏まずの上あたりで蹴るキックです。
※これも人によって多少の違いがあります。自分で蹴りやすい位置を探しましょう。
ボールを面でとらえるため非常にコントロールしやすいキックと言えます。
あらゆるキックの中でもっとも正確なキックでしょう。
ただ、距離が出しづらいので、ショートパスで近くの味方にゴロで出すときに使うことが多いパスです。
正確なキックが蹴れる
遠くまで飛ばしにくい
アウトサイドキック
アウトサイドキックは足の外側で蹴るキックのことです。
体の向きに対して反対方向に蹴ることができ、キックモーションが小さいキックなので、相手に読まれにくいメリットがあります。
人によってはショートパスでもロングパスでも使う人もいますが、長い距離をアウトサイドで蹴るのは少し難易度が高いです。
しっかりと足首を固定してうまく当てなくては遠くまで飛ばないのでかなり練習が必要になります。
クロアチア代表で現レアル・マドリードのルカ・モドリッチはえぐいアウトサイドキックを使うのでとても参考になります。
相手に読まれにくい
難易度が少し高い(特にロングキックは難しい)
インステップキック
インステップキックは足の甲で蹴るキックです。
インステップキックはシュートで主に使われるキックでもあり、とても速くて強いパスが出せます。
基本的には中・長距離のパスに使います。
キックモーションが大きくなるので、すぐに出したいショートパスなどには向かないでしょう。
ビルドアップでディフェンスラインからフォワードへ出したり、逆サイドへのサイドチェンジに使うと威力を発揮します。
長い距離を正確に蹴れるキックです。
元スペイン代表のシャビ・アロンソのキックが非常に参考になります。
ものすごくきれいなロングパスが得意な選手でした。
長い距離を正確に蹴れる
キックモーションが大きくなるので読まれやすい
インフロントキック
インフロントキックは足の内側、親指の付け根あたりで蹴るキックです。
インサイドキックに近い場所で蹴ることもあり、非常に正確なロングキックを蹴ることができます。
主に浮いたボールを蹴るときに使用し、カーブをかけやすいキックなので、フリーキックやコーナーキックにも使われます。
先ほどのインステップキック同様、サイドチェンジやディフェンスラインから前線へのロングパスにも使われます。
もっとも威力を発揮するのはカーブをかけたセンターリングを上げるときですね。
相手から逃げるボールを味方に点で合わせることが可能です。
元イングランド代表のデビッド・ベッカムのセンターリングは主にインフロントを使っていると思います。
ため息が出るほど美しいクロスですよ。
長い距離を正確に蹴れる
キックモーションが大きくなるので読まれやすい
ヒールキック
ヒールキックはかかとで蹴るキックのことです。
非常にトリッキーなプレーになり相手をかく乱することができます。
主に後方に蹴るキックですので、あらかじめ後ろを確認していないといけないのと、ボールを見ながら蹴ることができないので正確性に欠けるキックと言えます。
難易度が高いキックですが、うまくいけば見ている人が楽しめるキックです。
元ブラジル代表のロナウジーニョがいろんな場面でヒールを使って蹴っています。
視野が広く、アイディアの多い選手が得意とするキックです。
相手に読まれない
正確なキックができない
トーキック
トーキックはつま先で蹴るキックです。
つま先でトンと突くように蹴ります。
あまり多用するキックではありませんが、足を振り上げて蹴る必要がないため相手に読まれにくい性質があります。
つま先は当てる部分がとても小さく、ボールの中心をうまく突かないとまっすぐ飛ばないため難易度が高いキックです。
敵に囲まれたときなどに近くの味方にトーキックで出すと通る可能性が高いでしょう。
コーチによってはトーキックを使うなという人もいます。
これは当たりどころが悪いとつま先を痛めたり、正確性に欠けるからです。
ただ、うまくなると意外性のある非常に有効なキックですので、練習して使ってみるといいと思います。
当たり所が悪いと痛いので注意です(^^;
ノーモーションで蹴れるので相手に読まれにくい
正確に蹴るのが難しい
同じインステップのキックでもフワッと蹴るボールや低い弾道のボールなど球種も増やせたら言うことなしや。
小学生の間は遠くへ飛ばすよりしっかりミートして蹴ることが大事やけどな。
基本的なキックの蹴り方について詳しく書いた記事がありますのでぜひ読んでみて下さい。
≪最初に練習すべき基本のキック5種類を徹底解説!使用場面と蹴り方のコツ
初心者がキックを練習するときに知っておいた方がいいことをまとめた記事です。
≪知っているとどんどん上手くなるキックの前提と4つの重要ポイント
パスがうまい選手の特徴
ここで、パスがうまい選手の特徴を確認しておきます。
結論から言うと
- トラップが正確
- ボールコントロールが正確
- キックが正確
- 視野が広い
- イメージが豊富
これらですね。
順番に見ていきましょう。
トラップが正確
「パスを出すのになんでトラップなの?」と思うかもしれないですが、めちゃくちゃ大事です。
トラップで自分が蹴りたいところにピタッと止められることで、蹴るまでの余裕が手に入ります。
通常は蹴るまでに
- ボールを止める
- 軸足を踏み込む
- ボールを蹴る
という3ステップがかかってしまいます。
上手い選手はこれを2ステップで行います。
- ボールを止める
- ボールを蹴る
トラップすると同時にキックできる態勢に入ってるんですね。
これが出来るようになると、相手が寄せてくる前にパスができるようになります。
パスがうまい選手はトラップが非常にうまいです。
ボールコントロールが正確
トラップと同じですが、パスを出すのに自分の蹴りたい位置にボールを置いておくことが大切です。
パスがうまい選手はドリブルしながらもすぐ蹴れる場所にボールをしっかりコントロールしています。
もし、パスの出しどころがなくてドリブルをしてもパスコースが見つかればすぐにパスを出すことができます。
メッシはトラップもドリブルも常に自分の蹴りやすい位置にボールを置きながら行っています。
ドリブル、パス、シュートのすべてがいつでも繰り出せる状態なので、相手はどれを抑えていいかわかりません。
まさに無双状態です(笑)。
キックが正確
まあこれは当たり前ですね(^^;
パスはキックです。
うまい選手は針の穴を通すほどの正確なキックを持っています。
激しいマークをかわしながら、ゴールを取るためには点と点で合わせることが必要です。
ファンタジスタと言われるパサーがプレスキック(フリーキック)が得意な選手が多いのもうなずけます。
視野が広い
パスがうまい選手は非常に視野が広いです。
元スペイン代表でFCバルセロナの黄金時代を築いたシャビは「僕にはピッチのすべてが見えている」と語っています。
シャビの場合は瞬間的にフィールド全体を認識し、相手や味方の位置を一瞬で把握するそうです。
パスがうまい選手はよく「首を振る」と言われます。
あれは常にピッチ全体を見て、どこにパスを出せばいちばん有効かを考えています。
イメージが豊富
パスがうまい選手は「こんなところに出すのか」というような意外性のあるパスを出します。
これは上の「視野が広い」と繋がっていて、味方の位置や相手の位置をすでに把握しているから選択肢やイメージをたくさん持てます。
たくさんある選択肢の中から瞬間的に最適なものを選び取るので、「ノールックであんなところに出した」などの驚きがうまれます。
ロベルト・バッジョは「思いついたプレーの中でいちばん難しいものを選ぶようにしている」という名言を残しています。
小野伸二選手は「驚きや意外性のあるプレー」を大切にしています。
パスがうまい選手はたくさんイメージを持っていて、その中で魅力的なプレーを選びます。
パスがうまくなるにはいろんな要素が必要なんだね。
パスのコツ
ここからはパスのコツについて解説します。
パスがうまい選手の特徴を踏まえて、パスのコツを見ていきましょう。
パスのコツは
- あらかじめパスを出すところを見ておく
- ボールをしっかりとコントロールする
- 落ちついて蹴る
- 味方が次のプレーをしやすいパスを出す
これですね。
順番に見ていきましょう。
あらかじめパスを出すところを見ておく
うまい選手の特徴として「視野が広い」というのがありました。
いいパスを出すコツとして、まずはパスを出すところを見ておく必要があります。
ボールが自分のところに来る前に
- 味方の位置
- 敵の位置
- スペース
を把握しておきましょう。
常に
- 「あ、あそこが空いてるな」
- 「あそこに出したらチャンスになりそうだな」
- 「あの敵は右に寄りすぎてるな」
と首を振りながら確認しておきます。
あそこに出したいと思ったら「ボールをくれ」と要求します。
いいタイミングでボールが来たら出したいところに出すという一連の流れです。
一流選手はボールが自分のところに来るまでずっとまわりを見ています。
ボールが自分のところに転がっている間も首を振ってまわりを見ます。
状況は刻一刻と動いていくからですね。
徐々にそれができるように、まわりを見る練習はしていきましょう。
練習については後ほど紹介します。
ボールをしっかりとコントロールする
上手い選手の特徴で「トラップ、ボールコントロールが正確」というのがありました。
いいパスを出すコツとして、パスまでのボールコントロールが非常に重要です。
トラップ、ボールコントロールが正確だと
- 余裕ができる
- 相手に寄せられない
- 味方と呼吸が合わせられる
この3つのメリットがあります。
逆にトラップ、ボールコントロールでバタついてしまうと、焦ってしまっていいところに出せません。
味方もいつボールが出てくるかわからないので、いい動き出しができません。
しっかりとトラップ、ボールコントロールをして味方とタイミングを合わせましょう。
落ちついて正確に蹴る
これはわかりますね。
まわりをしっかり見て、ちゃんとトラップできたらあとは落ち着いて正確に蹴るだけです。
トラップ、ボールコントロールがきちんと決まれば自然と落ち着いて蹴れるようになります。
早く蹴らないとと焦らずに、まずはボールコントロールをきっちりしましょう。
すべてのプレーで焦りは禁物です。
遠藤保仁選手は「とりあえず落ち着けばなんとかなるだろうと思ってプレーしている」と語っています。
非常に参考になる言葉です。
味方が次のプレーをしやすいパスを出す
サッカーのコーチはよく「意図のあるパスを出せ」とか「パスにメッセージを込めろ」とか言うことがありますが、抽象的すぎてよくわからないですよね。
ボクはずっと「なんのことを言ってるんだろう」と思ってました。
でも、これ実は簡単で
味方が次のプレーをしやすいパスを出す
ことです。
これがパスがうまくいくコツです。
例えば
- 走っている味方にはスペースに出す
- 敵が前から寄せてきてるなら、後ろに出す
- 味方が受け取りやすいパスのスピードで出す
こういうことですね。
よく「パススピードは速くないといけない」と言われたりしますが、状況によって異なるのでなんでもかんでも速けりゃいいってもんではないです。
速いパスのほうがプレッシャーがこないと判断したら速いパスを出せばいいし、逆に相手を動かしたいときは遅いパスを出すこともあります。
味方が次のプレーをしやすいパスを心がけていればできるようになますので、意識してやってみましょう。
パスはゴールを奪うための手段やから、味方が次のプレーをしやすいパスを出すことでゴールを奪う確率が上がるで。
パスの精度を上げる方法
さらに上記を踏まえて、パスの精度を上げる方法を考えていきましょう。
パスの精度を上げる3つの重要な要素は
- トラップ
- キック
- 視野の広さ
これですね。
これら3つの要素を鍛えるのに特別な練習は必要ありません。
普段の練習で「どれだけこだわってできるか」がうまくなる秘訣です。
サッカーではウォーミングアップで対面でパスをやることが多いですが、ウォーミングアップだからといって適当にやってしまう人が多いかもしれません。
対面パスのような基礎練習をしっかりと「止める」「蹴る」「周りを見る」をこだわってやりましょう。
ポイントは
- ワンタッチで蹴れる場所にピタッと止める
- いろいろなパススピードを試してみる
- ボールが転がっている間に周りを見るクセをつける
基礎練習ではこれらを意識してやってみましょう。
簡単ではないですが、ずっと続けていくうちに格段にうまくなっていることに気づくはずです。
これだけでパスの精度は確実に上がっていきます。
対面パスなどで周りを見ると言うと、ただ首を振るだけになってしまいがちなので注意が必要です。
しっかりと周りの状況を確認するようにしましょう。
- となりで練習している人の様子
- 周りに転がっているボール
- 周りの風景(気がどこにあるかなど)
こういうことを意識的に見るようにしていきましょう。
そして、視野を広げるのに間接視野を使うことも覚えていきたいです。
間接視野とは特定のものに焦点を絞らずに視界全体を見る見方のことです。
つまり、1点に集中せずにぼやーっと周りも同時に見ます。
「見るともなく全体を見る」というやつですね。
ブラジルなどの強豪国の選手はボールだけでなく同時にまわりを見ています。
ロナウジーニョのノールックパスは間接視野を使って出していると思われます。
これはぜひマスターしたいスキルです。
間接視野のトレーニングは後で紹介します。
パスがうまい選手はトラップがほんまにうまい。トラップは地味やと思わんと極めた方がええで。
パスがうまくなる基本練習メニュー
ここではパスの具体的な練習メニューを紹介していきます。
パスがうまくなる簡単な基本練習です。
今日紹介する練習メニューは
- 壁に向かってパス
- 対面パス
- 対面パスでボール2つ
- グリッドの中で動きながらパス
- 4人対4人のミニゲーム
です。
順番に見ていきましょう。
壁に向かってパス
パスは相手がいる技術なので、基本的に2人以上の人数が必要ですが、1人しかいないときは壁に向かって蹴り続けましょう(笑)。
公園などにある壁や階段みたいなちょっとした段差でもできます。
ここでもポイントは
- ワンタッチで蹴れる場所にピタッと止める
- いろいろなパススピードを試してみる
- ボールが転がっている間に周りを見るクセをつける
です。
ゴロで蹴ってゴロで返ってくるボールを次のプレーを意識してしっかり止めます。
一人でやっているとボールだけに集中してしまうので、周りの景色や木が何本生えてるとかを見ながらやるようにしましょう。
壁当ては上記を意識してやるとかなりうまくなります。
対面パス
2人組で向かい合って立ち、パスを交換する練習です。
- 2人で向かい合って立つ
- 前にいる相手にパスをする
- トラップして前にいる相手にパスを返す
ウォーミングアップなどでやることが多い基本のトレーニングです。
ゴロでショートパスの練習から徐々に距離を長くしてロングパスの練習もできます。
この時も必ず
- ワンタッチで蹴れる場所にピタッと止める
- いろいろなパススピードを試してみる
- ボールが転がっている間に周りを見るクセをつける
を意識しましょう。(しつこい?)
大事なことなので何回でも言います(笑)。
対面パスでボールを2つ
上の対面パスでボールを2つにするパターンです。
- 2人で向かい合って立つ
- それぞれにボールを持つ
- 同時にパスをしてボールを交換する
- ダイレクトパスで①~③を続ける
お互いに同時にボールを蹴って、お互いのボールを入れ替えます。
このトレーニングでは出来るだけ、ダイレクトでパスをするようにします。
ポイントは
間接視野で蹴れるようになる練習
これですね。
上でも書きましたが、間接視野とは特定のものに焦点を絞らずに視界全体を見る見方のことです。
日本では「ボールをよく見ながらパスをしましょう。それが基本です。」と口をすっぱくして教えられますよね。
ブラジルなどの強豪国ではそこまで基本にこだわりません。
ロナウジーニョはノールックパスと言って、蹴る場所もボールも見ずに蹴ったりします。
これは間接視野を使っているんですね。
この練習はぼやーっと全体を見ながら、ボールだけ見ずに蹴る練習になります。
間接視野を使うことをマスターしたらプレーの幅は広がります。
ぜひチャレンジしてみましょう。
グリッドの中で動きながらパス
グリッドとは四角い枠のことです。
- 15メートル四方のグリッドをつくる
- 5~6人の選手がはいる
- みんなで自由に動きながらワンタッチでパスをまわす
足が止まってボールを受けないように注意しながら進行します。
ワンタッチが難しければツータッチでもいいようにしましょう。
ポイントは
タイミングを合わせて動きながらスペースでもらう
理想は味方がパスを出す前に動き始めて、動いた先のスペースでパスをもらうことです。
この練習には「見る」「考える」「判断する」というサッカーで重要な要素が含まれています。
どうやればうまくパスが回っていくのかを考えながらやっていきましょう。
4人対4人のミニゲーム
ミニゲームはどこでもやっていると思いますが、条件をつけることでパスに特化した練習になります。
- 全員にパスを回して点を入れたら5得点と決める
- 1~6年生までの学年を混ぜてチームを作ってゲームをする
これですね。
全員にパスを回せば5点になると決めたらみんなパスを回そうと思います(笑)。
②の条件で、味方のことを考えてパスを出すことを学びます。
高学年の子が下の学年にパスを出すときに、「強く蹴りすぎたらよくないな」「このくらいが取りやすいかな」など、味方が次のプレーをしやすいパスを自然と考えます。
海外ではいろんな学年の子たちが当たり前のようにストリートサッカーをして遊んでいます。
その中で、小さい子はどうやって活躍するか。大きい子はどうやって小さい子と上手くやれるかを考えていくんですね。
全学年が無理なら高学年と低学年に分けてもいいと思います。
この練習は風間八尋さんも池上正さんも推奨しています。
ぜひ取り入れてみて下さい。
パスで大事なことを踏まえて練習を考えてみてな!
小学生年代におけるパスかドリブルか議論
今でも、「小学生年代ではドリブルばかりやればいい」や「パスをつなぐのが日本のサッカーだ」というような議論がされることがあります。
結論から言うとボクはパスもドリブルも両方やるべきだと思います。
理由は
サッカーは判断のスポーツだから
です。
体格に恵まれない日本人が世界で活躍していくのに、判断の速さを磨いていくことが大事です。
「ドリブルだけでいい」「パスだけでいい」と言われたら考えずにドリブルし、考えずにパスを出すようになります。
スペインのビジャレアルのトレーニングでは判断を伴わないものはやらないそうです。
幼少期の子どもたちのトレーニングでも判断を大切にしています。
スペインサッカーはある意味では日本の見本になるサッカーです。
ですので、子どもの判断を制限する必要はありません。
どんどん自分で考えて判断する練習を取り入れていきたいところです。
結構、ドリブルだけでいいという人もおるけど、決めてしまう必要はないで。
サッカーは自分で判断することがいちばん大事やからな。
パスがうまくなりたければ上手い人のプレーを観る
他のプレーでも同じですが、特にパスに関してはうまい人のプレーを観るのが上達への近道です。
いいプレーのイメージをたくさん持っていると、プレーの選択肢が広がります。
うまいプレーヤーの良いパスをたくさん観ましょう。
ここではチェックすべきパスの達人をパサーオタクのボクが紹介します。
ケヴィン・デ・ブライネ
今ボクがもっとも好きなパサーです。
ベルギー代表、プレミアリーグのマンチェスター・シティでプレーしています。
サイドに流れてのクロス、「そんなとこ通すか」というスルーパス、ショートパス、ロングパスどれをとっても一級品のパスです。
観ていてめちゃくちゃ面白い選手です。
デ・ブライネのキックは軸足を進行方向に向けたまま蹴ることが多いです。
こうすることで、敵も読みにくいキックになっています。
日本では基本から外れていると怒られるかもしれません(笑)。
トニ・クロース
長短のパスの精度が恐ろしいです。
パス成功率100%を記録している試合もあるほどのパスの名手です。
元ドイツ代表、ラ・リーガのレアル・マドリードに所属しています。
中盤で全体をコントロールする精度の高いパスが特徴です。
特にサイドチェンジや前線へのフィードをするロングパスはめちゃくちゃ参考になります。
ロングキックの見本のようなキックです。
クロースのロングパスはインステップでバック回転をかけるように蹴っています。
バック回転をかけることで、味方が取りやすい柔らかいボールになります。
マヌエル・ルイ・コスタ
ボクが現役のときにもっとも憧れた選手です。
現在は現役を引退しています。
元ポルトガル代表でセリエAのフィオレンティーナやACミランで活躍しました。
すべてのプレーが華麗で、特にスルーパスは息を飲むほど美しい芸術品でした。
確かなテクニックから長短織り交ぜたパスでゲームを組み立て、最後には必殺のスルーパスでとどめを刺します。
視野がとても広くて「こんなところが見えてるんだ」という驚きのパスが多い選手です。
シャビ・エルナンデス
ゲームをコントロールさせたら世界一の選手です。
現在は現役を引退してFCバルセロナの監督をしています。
元スペイン代表でラ・リーガのFCバルセロナの黄金時代を生み出した選手です。
当時のバルセロナはメッシ、イニエスタなどのスター選手がいる中で、常に中心としてチームを正しい方向へ導きました。
プレーに派手さはないですが、卓越したボールコントロールと広い視野でボランチの位置から全体をコントロールしていくパスを散らします。
非常に頭のいい、クレバーな選手です。
シャビのプレーを観るときは正確なトラップとボールコントロールも観て欲しいです。
足元でピタッと止めるのがどれだけ大事かわかります。
アンドレア・ピルロ
後方からのフワッと上げたラストパスは世界一です。
元イタリア代表でセリエAのACミラン、ユベントスなどで活躍した選手です。
ピルロのポジションもボランチの位置です。
デビュー当時はトップ下をやっていたようですが、体の小さかったピルロは潰されることが多く、ボランチの位置に下がることを決意します。
ボランチの位置で若干プレッシャーが軽くなったことにより、ピルロは自由にパスが出せるようになりました。
そこでピルロの正確無比のロングパスが爆発したんですね。
ロングパスなのに味方の足に吸い込まれるようなパスは本当に美しいです。
一度観て下さい。
中村俊輔
日本のファンタジスタとは中村俊輔のことですね。
現在は現役を退きました。
元日本代表で、イタリアセリエA、スペインリーグ、スコティッシュ・プレミアリーグなどの世界で大活躍した選手です。
左利きで華麗なテクニックから美しいスルーパスが得意です。
サイドチェンジやクロスなどのロングパスも非常に精度が高い選手です。
小野伸二
日本で最高の天才とは小野伸二のことですね。
現在はJリーグのコンサドーレ札幌に所属していますが、先日、自身のInstagramで今季での引退を発表しました。
元日本代表でオランダリーグなどの世界で大活躍しています。
小野選手は後ろにも目がついているんじゃないかと言われるくらい視野が広く、ダイレクトパスでゲームを組み立てる選手です。
パスも「エンジェルパス」や「ベルベットパス」と言われるほど、味方が次のプレーをしやすい柔らかいボールを蹴ることで有名です。
今の時代、YouTubeでタダで観れるから、たくさん観てたくさんイメージを蓄えてな!
パスを受ける技術
最後にパスを受ける技術について解説します。
パスは出し手と受け手の両方がいて初めて成立します。
つまりパスを受けるほうにも技術が必要です。
ここでは基本的な考え方を解説します。
- 出し手と受け手のタイミングの共有
- マークを外す
- パスを受ける空間を確保する
順番に解説します。
出し手と受け手のタイミングの共有
パスを成功させるには受け手が出し手のパスを出すタイミングをわかっている必要があります。
それは基本的にはトラップをした瞬間です。
トラップをピタッと止めることができれば、その瞬間がパスをもらうために動き出せるタイミングだということがわかります。
パスの前にはトラップが大事というのはこういう理由もあります。
受け手は出し手のトラップをしっかりと見てタイミングを合わせて動き出します。
早すぎるとオフサイドにかかるし、遅すぎるとパスが通らなくなります。
マークを外す
パスの出し手がトラップした瞬間がわかればマークを外すための動き出しができます。
すでに外れていたらそのままもらえばいいし、マークされているなら動く必要があります。
このとき注意すべきは
自分をマークしている敵がどちらに動いているか
です。
「敵の矢印を見ろ」なんて言ったりしますが、パスの受け手は敵が「どちらに意識が向いているのか」、「どちらに動いているか」を見るのが大事です。
もし敵がパスコースを抑えに来ているなら、敵の視界から消える動きをします。
一瞬背後を取るような動きをするわけです。
そうすると敵は自分に合わせて動いてきます。
敵が動いてきたら自分は敵の動きの逆に動きます。
それでマークは外れます。
この一瞬のタイミングの繰り返しです。
パスを受ける空間を確保する
上のようにマークを外せたら、すでに自分のプレーできる範囲の空間は確保できています。
そこでボールを受ければいいです。
パスの受け手の動きをまとめます。
- 出し手のトラップを確認する
- 敵の動きを確認する
- パスコースが抑えられているなら敵から隠れる(背後を取るなど敵の視界から消える)
- 敵があわてて動いた逆をとる(敵の矢印の逆に動く)
- パスを受ける
これだけです。
慣れたら簡単です。
いかにパスの出し手と受け手の息を合わせられるかが肝になります。
パスのタイミングをちゃんと共有するために普段の練習が大切になるな。
パサーはきちんとトラップしてあげないと、あたふたしてると受け手が困るねんな。
まとめ:パスをうまくなってサッカーを楽しもう!
今日はパスについて徹底解説してきました。
今日の記事でわかったことは
- パスの目的
- うまいパスとは?
- サッカーで使うパスの種類
- パスで使うキックの種類
- パスがうまい選手の特徴
- パスのコツ
- パスの精度を上げる方法
- パスの基本練習メニュー
- パスかドリブルか問題
- パスがうまい選手の紹介
- パスを受ける技術
これらですね。
パスが好きな人もいればそんなに好きじゃないという人もいると思います。
ですが、どんな人でもサッカーをやっている限りパスを出す瞬間があります。
もちろんパスをもらう瞬間もあります。
ですので、パスのことを知ることは他の武器にもつながります。
パスのことを知っておいて損はないのです。
最初にも述べましたが、パスがうまくなればサッカーは楽しくなります。
プレーの選択肢が広がるからです。
ドリブルで仕掛けるにしてもパスの選択肢があるのとないのとでは抜ける確率が格段に違います。
ドリブルで突破していける方が楽しいですよね。
パスとドリブル両方あると相手には脅威になってくるんです。
この記事を読んでパスに関して少しでも興味を持ってもらえたらと思います。
以上、長くなりましたので今日はこの辺で終わります。
少しでも皆様のサッカーライフが充実して、サッカーを好きになってくれたら嬉しいです。
サッカーさいこー
ブログさいこー
おしまい。